猫のクリプトコッカス症について

猫のクリプトコッカス症について

2022/9/13
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部
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不調を抱えた猫の症状・原因について

不調を抱えた猫の症状・原因について

クリプトコッカス症は免疫が落ちているときに注意

クリプトコッカス症は、クリプトコッカスという種類の真菌に感染することで様々な症状が現れる病気です。

症状は幅広くあるのですが、多く見られるのは鼻周囲の肉芽腫です。鼻すじあたりが大きく腫れたようになります。鼻炎のような症状も出てきますので、くしゃみや鼻水が出るようになります。

目の周辺にも肉芽腫が出来やすく、目やにが目立ちます。また、網膜剥離や炎症などの症状も現れ、場合によっては失明することもあります。
さらに、体表にも色々な場所にしこりができやすくなります。

他には、発熱神経症状などが現れます。 神経症状などが出た場合には、麻痺や痙攣、運動失調などによって、以前に比べると動きがおかしいという違いも分かるようになるでしょう。

原因となるクリプトコッカスの真菌は、元々、自然界に多く存在する菌で、鳥類、特にハトは多く保有していると言われています。
猫への感染は、鳥の糞などに含まれる菌を鼻から吸い込む空気感染によるものです。

ただし、通常、健康な成猫はクリプトコッカス症を発症しません。
子猫や高齢の猫、そして猫エイズや猫白血病などのウイルスに感染していたり、糖尿病などの疾患、ストレスなどによる免疫の低下があったときに発症することが多くなります。

また、クリプトコッカス症は人畜共通感染症になりますので、飼い主も免疫力が下がっているときには感染する場合もあります。

猫のためにあなたができること

猫のためにあなたができること

顕微鏡検査や病理組織検査で感染の確認

猫は、かなり症状が重くならない限り、体調が悪いことが外見ではわかりにくい動物です。
したがって、鼻が腫れてきた、できものが出来たといった場合、様子を見るよりは一度動物病院に連れて行って診てもらうようにしましょう。


何故なら、飼い主も気がつかないところでクリプトコッカスが発症し、病院に連れて行って初めて猫白血病に感染していることがわかるなど、重大な疾患を抱えていて免疫が落ちていたと気がつくケースもあるからです。

診察、検査に関しては顕微鏡検査などをします。
例えば鼻水が出ていたら鼻水を採取して顕微鏡で見るなどします。この時点で真菌を発見することも出来ます。


ただし、この段階では普段見られない物質が確認できるといった程度なので、組織などを採取して詳しい検査を検査機関に依頼します。
病理組織検査で詳しくクリプトコッカスだと診断されることが多いです。


治療については、主に真菌が原因になりますので抗真菌剤を使います。ただし、長期間(数ヶ月~1年)必要になることも多いです。また、症状に応じての対症療法を行い、改善を促します。

猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 鼻が腫れてくる
  • くしゃみなどをする
  • 目やにが多い
  • しこりが出来るようになった
  • 痙攣や麻痺などの神経症状

かかりやすい猫の種類

  • 猫エイズウイルスに感染している猫
  • 猫白血病ウイルスに感染している猫
  • 病気やストレスなどで免疫が弱っている猫
  • 子猫や高齢の免疫力が低い猫
顧問獣医師、編集担当
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