猫の消化管型リンパ腫とは
不調を抱えた猫の症状・原因について
消化器官にできるリンパ腫
消化器型リンパ腫(消化器官型リンパ腫、消化器型リンパ腫)は、腸管や腸膜間のリンパ節に腫瘤が発生する病気で、猫に見られやすいリンパ腫の一種です。特に老猫に多く見られる病気でもあります。
嘔吐や下痢といった消化器官の病気に見られる症状が現れ、食欲の低下や体重の減少が見られます。また、寝ている時間が長くなり、だるそうにしているようにも見えます
消化器型リンパ腫は、リンパ腫が大きくなると腸閉塞の原因になることが多く、また、腫瘍が発生した部分の腸管がもろくなり、破れやすくなって腹膜炎の原因となることがあります。この病気に限らず、リンパ腫の発症原因は猫白血病ウイルスの感染が主な原因となりますが、それ以外にも老猫の免疫力の低下や、猫エイズウイルスなどの感染によるもの、ストレスや発がん性物質の摂取、腸管の炎症など、様々な原因が重なって起こることでリンパ球のがん細胞化を促進するのではないかと考えられています。受動喫煙によって発症リスクが高くなるという研究結果も発表されていますが、詳しい原因については判明していません。
<関連記事>
・猫のリンパ腫(リンパ肉腫)とは
・猫の縦隔型リンパ腫について
猫のためにあなたができること
早期の治療開始が望ましい
消化器官型リンパ腫は、放っておくと腹膜炎や腸閉塞といった命の危険を伴う病気に発展する恐れがあるので、早期発見、治療の開始を行うことが望ましいです。
症状としては嘔吐や下痢といった消化器官の病気の症状を呈する上に、だるそうにする、寝ている時間が長いといった体力の低下を感じるようになります。老猫にはありがちな状態なので飼主の方には判断が難しいものです。猫の体調がおかしいなと感じたら、速やかに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
治療においては、主に抗がん剤を用いた化学療法がとられますが、消化器型リンパ腫の場合は食欲不振や嘔吐、下痢などの症状が悪化する恐れや、消化管出血などの症状が現れることがあるので、症状を抑える対処療法が平行して行われます。
また、原因となる病気や症状に応じた治療も行われます。治療法によっては副作用を伴うこともあります。治療においては獣医師ときちんと相談した上で治療法を決定しましょう。
予防法としてはワクチンの接種が最も有効で、リンパ腫の原因である猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスの感染を防ぐことで発症リスクを下げることができます。ただし、発症の原因はそれ以外にも多いので、完全に予防することは困難です。そのため、予防接種を受けているからといって油断せず、常に猫の体調管理を怠らないことが重要です。発見が遅れれば最悪の場合、死に至ることが多いので、病気が悪化する前に発見し、早期治療を心がけることが重要です。
最大の予防法は室内飼と避妊手術です。原因ウイルスは空気感染はしませんので、屋外の猫と接触させない事が重要です。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!
- 嘔吐
- 下痢
- 元気がなくなる
- 食欲の低下
- 体重の減少
- 寝ている時間が長い
- だるそうにしている
かかりやすい猫の種類
特にかかりやすい品種はいませんが、以下の状況の猫はかかりやすいです。
- 屋外に放し飼いの猫
- 老猫
- 飼い主がタバコを吸っている
- ワクチンを受けていない猫
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