猫の猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)とは

猫の猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)とは

2022/9/13
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部
顧問獣医師、編集担当

不調を抱えた猫の症状・原因について

不調を抱えた猫の症状・原因について

発症しないまま寿命を迎えるケースも

猫エイズは、正式には「猫後天性免疫不全症候群」と言われており、ネコ免疫不全ウイルスの感染によって免疫力が段々となくなり、様々な疾患が起きる病気です。

原因となるネコ免疫不全ウイルスは感染した猫の唾液や血液などに含まれるので、外に出歩く猫の場合、感染経路は他の猫とのケンカによるものが多いと考えられます。
また、感染している母猫が子供を産んだ場合は、垂直感染の可能性もあると言われています。

猫エイズは、感染から発症まで大きく3つの段階に分けることができます。

急性期

感染から数週間~4ヶ月ぐらい経過した頃をさします。
リンパが腫れることによる発熱、風邪、下痢などの症状がその間続きます。

キャリア期

急性期の症状が落ち着き、ウイルス自体がリンパ球に潜伏する期間のことをさします。

体内ではウイルスが猛威をふるっていますが、表面上では今までの症状が消えたように見えるため、一番感染に気がつきにくい時期と言えます。キャリア期の長さは数ヶ月~10年と、猫によってかなり差があります。したがって、エイズを発症する前に寿命を全うする猫もいます。

エイズ発症期

キャリア期が終わり、免疫不全症候群を発症する時期のことをさします。
リンパ節が腫れたり、口内炎や消化器の疾患、皮膚疾患、呼吸器の疾患などを発症するようになります。さらにこの時期はすでに免疫不全状態のため、日和見感染症による皮膚炎脱水が見られる場合があります。さらに免疫力が弱まると、肺炎やガンなど、体中さまざまな病気にかかってしまいます。

なお、ネコ免疫不全ウイルスは、人間を含む猫以外の動物に感染することはないと言われています。

猫のためにあなたができること

猫のためにあなたができること

完治は難しい病気

このウイルスに感染した場合、完治は難しいということを頭に入れておきましょう。
しかし、飼育の仕方や服薬治療によって、寿命を迎えるまで症状を抑えられる場合もあります。

もし、飼っている猫に

  • 発熱
  • 口内炎が出来て食事ができない状態
  • よだれ
  • リンパの腫れ

が見られたら、まず一度動物病院に連れて行き、念のため猫エイズの検査を受けましょう。
猫を数匹飼っている場合は、万が一の感染を避けるため体調の悪い猫との接触は避けるようにしましょう。

動物病院では「FeLV抗原/FIV抗体同時検査用キット」を使用する検査を受けられます。
この検査は、猫エイズと猫白血病の感染が同時に判断できるものです。血液を採取してから数十分待つ程度で結果がわかります。
感染が判明してからの治療は、主に発症した症状や疾患に対して適した治療をしていきます。炎症や日和見感染がある場合は、インターフェロンや抗生物質などを使用します。

猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 熱が出ている
  • リンパが腫れている
  • よだれがでるようになった
  • 腫瘍と思われるできものが出来るようになった
  • 体調が悪くなるとなかなか回復しない

かかりやすい猫の種類

特別かかりやすい品種はいませんが以下の状況の猫はかかりやすいです。

  • オス猫
  • 外を出入りしている猫
  • 感染している母猫から生まれた子猫
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部

ペットを愛するメディア担当と顧問獣医師の先生で、信頼でき、役立つ情報をお届けしています。

おすすめ情報

猫の新着記事

猫の新着記事一覧へ

Ranking