猫の鉤虫症(こうちゅうしょう)とは

猫の鉤虫症(こうちゅうしょう)とは

2022/9/14
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部
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不調を抱えた猫の症状・原因について

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猫に寄生した鉤中が貧血状態を起こす!

猫の鉤虫症は、鉤虫という体長1cm~2cm程度の白い糸状の寄生虫が腸の中に寄生して起こります。鉤虫は鋭い歯で小腸に噛み付き、粘膜を食べたり、血液を吸います。
鉤虫に寄生されると、成猫では目立った症状はありませんが、寄生している鉤虫の数が増えてしまうと慢性的な貧血タール状の黒色便、軟便が見られます。

子猫に感染した場合、症状が重くなりがちで、貧血やタール状の黒色便だけでなく、潜血便下痢、更に発育不足などの症状が見られ、場合によっては死亡してしまうことがあります。

鉤虫症に感染する原因としては、鉤虫症に既に感染している猫との接触があげられます。鉤虫症の猫の便には鉤虫の卵が一緒に排出されます。この卵から孵化した幼虫は、自力で猫の口まで這い上がったり、経口的に入り口腔粘膜から侵入することが可能なので、こうして感染が広がります。猫の体に入り込んで1週間ぐらいで腸にたどり着いて寄生を始めるようになります。

また、母猫が感染している場合は、胎盤や母乳を介して子猫への垂直感染をしていることが多いです。

 

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猫のためにあなたができること

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鉤虫の駆虫は徹底的に行う必要がある

貧血状態は、他に症状などが見られないと様子を見たりして見過ごしがちですが、他の疾患の可能性もありますので診察を受けるようにしてみましょう。
鉤虫症などの診察をした場合、便の検査をすると卵を見つけることが出来ますので見つけ次第治療を行うようにします。

特に子猫の場合、症状がひどいと死亡率が高くなりますし、他の重大な疾患の可能性もありますので、少しでもおかしいなと思ったら早く動物病院へ連れていきましょう。

治療方法としては鉤虫症の駆虫薬を服用させることで治療していきます。ただし、一度の駆虫だけではまだ幼虫が体の中に残ってしまい再び寄生してしまうこともあるので、一度駆虫を始めたら獣医師の指定された期間の駆虫薬を服用するようにしましょう。

もしたくさんの鉤虫に寄生されてしまい下痢などによる脱水なども起きている場合は、点滴などを行って諸症状を改善させることもあります。
外を出入りさせている猫の場合、感染の機会も多くなりますので、できれば定期的に便の検査を行うようにすると良いでしょう。

猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 痩せてきた
  • 口の中や耳の内側の色が白っぽい
  • 下痢、血便
  • 食欲が落ちた

かかりやすい猫の種類

  • 外に出入りしている猫
  • 多頭飼いでトイレ掃除のサイクルが長い
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