猫の網膜変性性疾患について
不調を抱えた猫の症状・原因について
段々と視力を失っていく疾患
猫の目の疾患の中に網膜変性性疾患があります。目の網膜という部分が変性してしまう病気で、遺伝により起きたり、遺伝でなくとも後天性の状況で発症することもあります。
網膜は、色の判別、明るい場所や暗い場所の判別、見た情報を判断するといった機能を果たしている箇所の変性になりますので、段々と目が見えなくなるといった症状が出たり、涙が多く出てきたりする症状が現れます。
これまで普通に部屋の中を行動していたのに、最近物にぶつかるようになった、移動のスピードがゆっくりしている、部屋の端を歩くようになったということがあれば、網膜変性性疾患にかかっている可能性があり、症状が段々と進行していった場合、失明する可能性もある疾患です。
原因は生まれつきの遺伝性で変性をおこすことが多く、シャムやアビシニアン、ペルシャ猫などは起こす可能性が高いです。
他にも網膜が萎縮していくことで段々と視力を失っていく進行性網膜萎縮症によるものや、後天性の原因として緑内障などの別の目の疾患を患ったことがきっかけで変性を起こすケースもあります。腎不全などでも網膜への影響が出ることがあります。
また食事によるタウリンが不足していることも考えられますので、総合栄養食などを与えていない食生活の場合、タウリンが不足しないよう注意が必要です。
<関連記事>
・猫の進行性網膜萎縮とは
・猫の白内障について
猫のためにあなたができること
ちょっとした行動の変化に気がついてあげましょう
網膜変性性疾患の症状は段々と進行していくものなので、飼い主が気づいていないというケースもあります。猫の方でも段々と視力を失っていくことによって何らかのシグナルが出ています。
ちょっとしたことでぶつかるようになる、行動をよく見ているとぎこちない動きになっている、部屋の真ん中を走っていたのに端を歩くように移動するようになった、走ったりする行動が減ってきたなどです。
これらのちょっとした変化ですが、一時的ではなく、続くようであれば猫に何らかの視覚の変化があったと思って、一度動物病院へ連れて行くと良いでしょう。このときに網膜変性性疾患だけでなく、その原因となっている緑内障や腎不全などの他の疾患を見つけることもあるかもしれません。
診察は、眼底検査などを行ないます。網膜電位図などの機器でより詳しく網膜の状態を検査することも出来ます。
治療は、元となる疾患を抱えている場合はそれらの対処を行い、エサなどの栄養バランスが原因だという場合は食事内容の改善を行います。療養食を出されたら食べさせるようにしましょう。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!
- 涙を流すようになっている
- よく物にぶつかる
- 部屋の端を歩くようになってきた
- 行動がゆっくりしている
かかりやすい猫の種類
- シャム猫
- ペルシャ
- アビシニアン
また、以下の状況の猫もかかりやすいです。
- 目の疾患を患っている
- 総合栄養食のキャットフードを与えていない
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