猫の小脳の形成不全について

猫の小脳の形成不全について

2022/9/16
獣医師
【監修医】岩尾 琢
獣医師

不調を抱えた猫の症状・原因について

Little cat read a book
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小脳の形成不全によりふらつきが出る

猫の小脳の形成不全は、猫汎白血球減少ウイルス感染で小脳に異常が生じることにより動きに支障が出る病気で、子猫の時に確認できます。
症状としては、歩いたり立っている時に突然よろけたりします。他にも頭の動きが落ち着かずにふらふら動いてしまうこともあります。

   
原因は猫汎白血球減少ウイルス、別名パルボウイルスによる感染です。
多くは母猫が妊娠後期のあたりで猫汎白血球減少ウイルスに感染してしまい、生まれた子猫に小脳の形成不全が出てしまうためです。
また、生まれた時に特に問題がなかったものの、子猫の時に猫汎白血球減少ウイルスに感染することで小脳の形成不全になる場合もあります。

   
日常の生活の中でいきなりバターン!と倒れてしまうこともありますが、食事をしたり、排泄をするのは問題なくできるという猫も多く、大きくなるにつれて段々と状態が落ち着いてくる場合も多くあります。

   

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猫のためにあなたができること

cropped shot of young woman carrying and kissing scottish fold cat while sitting on couch

飼い主のサポートにより普通の生活が送れます

動物病院に相談に行く際に
・母猫が妊娠後期あたりで猫汎白血球減少ウイルスに感染していたか
・子猫の場合は生まれてから猫汎白血球減少ウイルスに感染したような症状があったか
などで当てはまること、気になる症状などわかっていることがあれば伝えしょう。
また、保護したばかりで状況がわからないという場合もそのまま伝えましょう。

   
診察は、血液検査やX線検査などで可能性のある疾患がないかを調べていくことになります。この場合は消去法で調べていくことが多いです。
そして、特に当てはまる疾患がなさそうな場合は小脳の形成不全の疑いを持つことになります。この時にCTかMRIがある病院の場合は撮影をして小脳が通常より小さいかどうかがわかるので、その時点で小脳の形成不全の診断をされます。

   
小脳の形成不全には有効な治療法がありません。
ですが、この疾患でも多くは普通に食事もできますし、トイレも普通にすることができます。
もちろん、それぞれの猫によって症状の程度は違いますが、歩いたり立っている時にいきなりよろけたり倒れたりするといった状態なので、飼い主の方でもできる範囲のサポートをすることで問題なく生活することができます。

   
獣医さんの方から小脳の形成不全になるとどのような状況がありえるか、どのような症状が出るか、どのようなサポートが必要かなどを聞いて、一緒に生活を送る参考にしてください。
大きくなると落ち着いてくる猫もいますので、まずは日常の生活を送れるようにサポートしていきましょう。

猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • いきなり倒れる
  • 頭がふらふらした状態

かかりやすい猫の種類

特にかかりやすい品種はいませんが、以下の状況の猫はかかりやすいです。

  • 母猫が妊娠中に猫汎白血球減少ウイルスに感染している
  • 生まれてから猫汎白血球減少ウイルスに感染してしまった
獣医師
【監修医】岩尾 琢

センターきた動物病院/神奈川県 横浜市都筑区 中川中央1-38-18

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