猫の脳血管障害について

猫の脳血管障害について

2022/9/16
獣医師
【監修医】岩尾 琢
獣医師

不調を抱えた猫の症状・原因について

脳の血管に問題が起きる

体の中には多くの血管があり、常に血液が全身に送り込まれています。
この血管に問題が起きると、しかしながら、血管障害が原因で様々な病気を引き起こします。例えば血管部の閉塞、また血管部の損傷による出血などです。
なお、体でも血管障害が起きることもありますが、脳での血管障害も起こることがあります。
脳梗塞や脳内の出血などがその一例です。

   
脳の血管障害が起きることでまず神経関係の症状が現れます。
突然、痙攣や吐き気があったり、部分的に麻痺してうまく体を動かせなくなったり、普通に歩くことも困難になり、グルグルと同じ場所を回る旋回行動が見られたり、意識がなくなることもあります。
血管障害などの原因はまだはっきりとわかってはいません。
元々持っている疾患などが関係していることが多いと言われています。
他にも高齢の猫など、疾患を抱えている猫の場合、治療や投薬による負担がかかることもありますし、体の機能がそれぞれ衰えていくことによって血管障害のリスクが増えていきます。

   

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神経関係の症状が見られたら一刻も早く動物病院へ!

麻痺や痙攣、吐き気、歩行困難などの症状が出始めている、もしくは重複して複数の症状が出ている場合、深刻な状況の可能性があります。
そのため、様子を見ることはせず、まず動物病院に連れて行き受診しましょう。
なお、意識がなくなった場合は急いでください。もし血管障害だった場合は生命に関わる状況だからです。

   
大きい動物病院であればCTやMRIなどを使って診察を行ないます。
もちろん、これらの施設がない病院でもX線検査や超音波検査などをして大まかに調べることは可能です。
もし、脳出血があった場合は、止血をするために止血薬を使用します。検査をした時点で脳内の出血が多い場合は外科手術をすることもあるでしょう。
脳梗塞などの血管閉塞が起きている場合は、脳が圧迫されないように利尿剤を使ったり、脳圧を下げる薬やステロイドなどを使用して治療することがあります。
また、てんかんが起きている場合は抗てんかん薬を使用し、元々抱えている疾患が関係している場合には疾患に対する治療も同時に行なうこともあります。血管障害の状況によってそれぞれ治療法は違ってきますが、いずれも早めの対処が必要です。

   
手遅れになると死亡することもありますし、処置が遅れることで後遺症が残る可能性もあります。また、発見、処置が早かったことで治療できることもありますので、少しでも神経関係の異常を見つけた場合には、早めに動物病院への連絡、診察をおすすめします。

猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 痙攣
  • 麻痺
  • 吐き気
  • 普通に歩けない
  • 意識がない
  • かかりやすい猫の種類
  • 疾患を抱えている猫
  • 高齢の猫
獣医師
【監修医】岩尾 琢

センターきた動物病院/神奈川県 横浜市都筑区 中川中央1-38-18

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