猫の前庭性失調症症候群について
不調を抱えた猫の症状・原因について
バランス感覚を司る神経の異常
猫が頭をふる仕草を見せるときがあります。この場合、大抵はダニの感染や外傷などの原因で耳に違和感を感じているために頭を振るという行動をとることが多いですが、他の症状が出ることもあります。
例えば、歩くときにフラフラとまっすぐ歩けず、同じ場所を旋回するような行動を起こすなどです。
このときに、首の位置も平行に保てずに傾いたような見た目になる捻転斜頚の症状も出ることがあります。
こういった症状で考えられるのは前庭性失調症症候群です。
耳の奥には器官や神経があり、その中に前庭という神経があります。
この前庭は平衡感覚や体のバランスをとる大事な神経です。
そのため、前庭に何らかの問題が起きることで正常な働きをしなくなり、平行感覚の異常、頭を振る、首の傾きといった症状が出てくるのです。
また眼を確認すると黒目の動きが定まらない眼振がおきていることもあります。
原因としては、炎症を起こしていたり、外傷や腫瘍が関係していることもあれば、原因自体が詳しく判明しない突発性の前庭性疾患が出ることもあります。
犬は高齢になるにつれて、発症しやすいことが知られていますが、猫の場合は年齢に関係なく発症します。
季節に若干関係があるようで、夏の暑さが落ち着いた秋にかけての期間に発症が多い傾向があります。
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猫のためにあなたができること
症状に気がついたら早めに病院へ
症状が出始めたら早めに動物病院に行きましょう。連れて行くまでに怪我をしてしまう可能性もありますので、ケージやキャリーケースなどに入れて安静にさせておくと安心です。それから、中でバランスを崩して転ぶ可能性もありますので、下にタオルなどを敷いておいてあげるなどの対策をとるようにしましょう。
また、いつ頃から症状が出始めたのか、どんな症状が出始めたのか、症状が出る前に外に出ていることはあったのか、事故や怪我をする可能性はあったのか、などを説明できるようにしておくと良いです。
診察を受ける際に所見などでも確認はしますが、まず耳の部分の状況を確認します。中耳炎、内耳炎を起こしていないかを耳介スコープ(耳の内視鏡)を使い検査していきます。
他にもX線検査なども同時に行い、判断材料にしていきます。
そのため、治療中の疾患がないか、そして怪我をしている可能性がないか、当てはまるようであれば獣医に伝えるようにしましょう。
検査した上で、耳の炎症を起こしていた場合は抗生物質や抗炎症薬を用いた治療を行ないます。
もし、前庭神経に影響している疾患や外傷などがある場合は、それぞれにあった治療をしていくことで改善することが多いです。
状況によっては一部、後遺症が残る可能性もある疾患ですが、治療することでだいぶ改善されていきます。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!
- 頭を振る
- 頭の位置が傾いた状態になっている
- まっすぐ歩けない
- 眼振が出る
かかりやすい猫の種類
- シャム
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