猫の頭部のケガについて

猫の頭部のケガについて

2022/9/16
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部
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不調を抱えた猫の症状・原因について

不調を抱えた猫の症状・原因について

油断していると思わぬ重病に発展

猫が頭部にケガをする主な原因は、交通事故や高いところからの落下によるものです。
猫はもともと、高いところから落下しても着地することに長けていますが、子猫では自分が着地できる高さをまだ把握できていなかったり、何らかの病気によって平衡感覚が失われていたり、神経に障害がある場合には着地に失敗して頭を強く打ってしまうこともあります。

特に室外で猫を飼育している場合に起こりやすく、その場合はどこでどのような方法で頭部をケガしたのかを把握しづらいです。そのうえ、猫のしぐさ次第では事の重大さに気が付かない可能性も高いです。
また、頭部をケガしているということは、そのまま脳に直接、衝撃が届いているという可能性もあります。

   
猫が脳に衝撃を負った際の症状としては、軽いものではよろめいたりするだけですが、衝撃が大きいと意識が朦朧としたり、痙攣を起こしたりする可能性があります。
さらに、視覚障害や麻痺、痴呆障害などを引き起こす場合もあり、最悪、昏睡に陥ってしまうこともありえます。

頭部にケガをした際の病気としては、硬膜外血腫というものがあり、これは頭部への強い衝撃で脳内出血が起こり、脳を覆う硬膜の外側に血液が溜まる病気です。
脳が圧迫されることで脳に障害が発生し、視覚障害や痴呆障害を患うことになります。
たかがケガと軽く考えていると、深刻な症状が現れたり、治療に成功しても何らかの後遺症が残る可能性も高くなります。

   

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怪我を見つけたら、症状がでていなくても動物病院へ

猫の頭部のケガはそのまま猫の脳に衝撃を与える原因となり、思わぬ重病を患う原因となる可能性がありますので、速やかに動物病院へ連れていき、獣医に診てもらうことをおすすめします。
猫の脳へのダメージは、事故後すぐに現れるものから、事故後しばらくして症状が現れることもあります。

特に、深夜帯に猫が何かしらの症状を訴えているとしても、そのような時間では動物病院へ連れていくことが難しいため、猫の頭部にケガを発見した時に何の症状も現れていなかったとしても、大事になる前に動物病院へ連れていってあげましょう。

頭部のケガの原因である事故は、ほとんどが室外で起こります。
そのため、室内飼いに徹することで少なくとも交通事故を防ぐことはできますが、家の中であっても高いところがある場合には、そこからの落下が原因で頭部をケガする可能性は十分にあります。
治療においては猫の頭部や脳の状態に合わせた治療を行いますが、脳内出血などを起こしている場合には外科手術を必要とする場合があります。

猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • ふらつく
  • 意識が朦朧とする
  • 痙攣
  • すぐ何かにぶつかる(視覚障害)
  • 昏睡

かかりやすい猫の種類

特にかかりやすい品種はいませんが、以下の状況の猫はかかりやすいです。

  • 子猫
  • 室外で飼育している猫
顧問獣医師、編集担当
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