犬の鞭虫症について
目 次
不調を抱えた犬の症状・原因について
大腸、特に盲腸に寄生する犬鞭虫が起こす病気
鞭虫症(べんちゅうしょう)は、鞭虫という寄生虫によって引き起こされる病気です。犬の鞭虫症の場合は、特に盲腸部分に寄生することが多く、さまざまな弊害を引き起こします。頭部が鞭のように見えることから鞭虫と呼ばれるようになりました。
状態が悪化してしまうと、盲腸から大腸や小腸に症状がひろがることもあります。こうなると、かなり末期の段階なので、そうなるまえに、早期発見早期治療を行なうことが大切です。顕微鏡で糞を検査すれば、便中独特の虫卵が検出でき診断できます。
【主な症状】
初期段階ではこれといった症状があらわれないことも多く、感染しているかどうかわからない場合があります。寄生する鞭虫の数が多いと、下痢や粘りのある血便、腸炎、栄養不良、貧血、脱水症状などの症状があらわれます。栄養不良が原因で毛のつやが悪くなることもあります。
【主な原因】
原因は、既に鞭虫症に感染している犬の便を食べたり、接触を持つことで感染します。
鞭虫症の症状のひとつにある貧血は、鞭虫が吸血性の寄生虫であることから、吸血され起こります。
犬のためにあなたができること
スキンシップで早期発見、定期検診で確実な予防を
鞭虫症の初期症状はわかりにくいので、普段から出来る限り犬とスキンシップをはかり、上記の症状が出ていないか、妙なものを口にしていないか確認してあげましょう。定期的に動物病院を受診し、健康管理を行なうことでも予防出来ます。
検査方法は、検便による顕微鏡の検査で詳しく診断していきます。
治療法は、駆虫薬投与の薬物療法で回復します。下痢は輸液療法で対応し、ひどい貧血の場合は輸血療法で治療することもあります。
しかし、犬の輸血は拒絶反応が起きやすく、逆に悪化するケースもあるので、しっかりと獣医さんと相談して輸血の判断を行ないましょう。鞭虫の卵は生命力が非常に強いので、犬の体外に出た後、外界でも生き続けます。
再発の可能性も考慮し、定期的に動物病院を受診し、早期治療を心がけましょう。
犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!
- 下痢
- 粘りのある血便
- 貧血
- 腸炎
- 毛艶が悪くなる
- 栄養不良
- 脱水症状
かかりやすい犬の種類
- 特にかかりやすい犬種というのはありませんが、成犬以降に発症しやすい病気です。年齢で発症するというよりも、外出頻度に比例して発症しているようです。
犬の新着記事
-
犬に噛み癖をつけない、直すにはどうしたらいい?犬が飼い主を噛む原因と対処法
-
【獣医師監修】犬と猫のフィラリア、初期症状や予防法、薬の期間は?治るの?
-
【獣医師執筆】犬の暑さ対策、エアコンなしはOK?快適に過ごすための工夫を詳しく解説
-
【獣医師執筆】犬猫のノミ・ダニ対策と見つけた際の対処法、予防などを詳しく解説。人間への影響は?
-
【獣医師執筆】犬の去勢手術はどうする?いつが適正?メリット・デメリットを知って考えよう
Ranking
-
1
【獣医師執筆】犬が飼い主の手や顔を舐めるのはなぜ?愛犬の気持ちや、やめさせたい時の対処法など
-
2
【獣医師執筆】犬が一緒に寝たがるのはなぜ?犬と一緒に寝てもいい?獣医師が詳しく解説
-
3
【獣医師執筆】犬が誤飲・誤食したかもしれない!チェックすべき症状と対処法。うんちで出るの?
-
4
【獣医師執筆】犬の去勢手術はどうする?いつが適正?メリット・デメリットを知って考えよう
-
5
【獣医師が答える】犬のワクチンQ&A
-
6
【獣医師執筆】犬に危険な植物・観葉植物は?室内や庭、お散歩時に要注意!
-
7
犬に噛み癖をつけない、直すにはどうしたらいい?犬が飼い主を噛む原因と対処法
-
8
【獣医師執筆】犬にネギは絶対あげちゃダメ。危険な量や症状、対処法を詳しく解説
-
9
【獣医師執筆】犬に蕎麦(そば)は与えてもOK。量や与え方、注意点などを詳しく解説
-
10
【獣医師執筆】犬の避妊手術はするべき?時期や費用、メリット、デメリットなどを詳しく解説