犬の耳の腫瘍について
不調を抱えた犬の症状・原因について
残念ながら、犬の耳には腫瘤という塊(かたまり)がしばしば見られます。それも、塊として認められるとは限らず、様々な形で見られます。
耳以外のところに見られる一般的な腫瘤と同じく、一見すると腫瘍であっても、腫瘍性でないタイプも少なくありません。
例えば、慢性の外耳炎で、耳垢腺という分泌腺が過剰に大きくなっていたり、痒みによる引っ掻きの刺激で結節状になっていたり、綿棒による誤ったケアで腫れていることすらあります。
また、白っぽい塊として、外耳道の奥の方に認められる「真珠種」も、まれですが認められます。
さらに、外耳道の周り(軟部組織という)が増殖していることもあります。
精査が必要
こうした腫瘤は、出来るだけオトスコープによって精査されるべきですし、「細胞学的検査」や必要によって「病理組織学的検査」、さらにはCTやMRIで正しく診断されるべきでしょう。
その結果、耳垢腺癌、扁平上皮癌、皮膚リンパ腫などといった悪性腫瘍であれば、その発生部位や周辺組織への影響を確認後、治療法を選択します。
ほとんどの場合、外科的に摘出手術を受けることになりますが、その手術法も様々です。ここ数年、私は「病理組織学的検査」の目的も兼ねて、「ポリペクトミー」という、内視鏡で見ながら切除する方法を、最も患者への負担が少ないことから、お勧めすることが多いように思われます。
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