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犬・猫の腎不全と東洋医学【獣医師解説】

腎不全と東洋医学【獣医師解説】

特に猫に多くみられる腎不全。悪化するまで目立った症状がないうえに、完治の難しい怖い病気です。長期の闘病が多いことからも、身体への負担にはより気を付けてあげたいですよね。
「いのちのために。」4回目は、腎不全と東洋医学について、モナ動物病院の関根 秀子先生にご執筆いただきました。

  • 関根 秀子先生
    獣医師・国際中医師・中獣医鍼灸師の資格をいかし、動物に優しい医療を大切にする先生

腎不全の症状

腎臓の機能が低下し、おしっこが薄くなったり、元気や食欲が低下する病気を腎不全と言います。どんな動物でもなりますが、ペットでは特に猫に多い病気です。
東洋医学的には体の水分が不足した状態=「腎虚」といい、体のほてり、のどが渇く、痩せるといった症状が特徴です。また「腎陽虚」という、体の熱が不足し、寒がったり足が冷たくなったりする症状もみられます。
さらに東洋医学的には、腰がふらふらしてしっかり歩くことができない、耳が遠くなる、歯が抜ける、便秘または下痢などの症状も「腎虚」からくると考えられています。

東洋医学でできること

東洋医学でできること

腎不全の猫に鍼治療をしながら、皮下輸液を行っています。

腎不全の治療には、中西結合治療が効果的です。皮下輸液といって点滴をして体の水分を補うという西洋医学的治療に、漢方、鍼灸などを併用していくことが多いです。
腎機能を高めるツボに鍼や灸をしたり、先ほどの「腎虚」を補うために、「補腎」の効果がある漢方薬を服用していきます。
腎不全の動物は食欲も落ちていますので、少しでも飲みやすい液体の漢方や、体に塗るタイプの漢方薬などを選択することもあります。

腎臓を労わる普段のケア

腎臓を労わる普段のケア

こでもやはり、少しでも腎不全を遅らせるためには、普段から腎を補う「補腎」が有効です。高齢になったら補腎薬や補腎の効果のあるものを食べるのも良いでしょう。

執筆医 関根 秀子先生

執筆医 関根 秀子先生

モナ動物病院

住所:神奈川県 逗子市 桜山8-1-44-1F
施設詳細はこちら

編集部より

腎不全は恐ろしい病気ですが、健康なときの心がけで防いだり、早期に見つけてあげることもできる疾患。高齢になったら細かなところまで気を配ってあげてください。

「いのちのために」は、動物医療について深く知っていただき、飼い主さまの選択肢を増やすことで、より豊かで幸せなペットライフをおくっていただきたいという想いをこめて制作しています。

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