院長/杉村 肇 へのインタビュー(1/4)

どうぶつ耳科専門クリニック 院長 杉村肇先生 どうぶつ耳科専門クリニック 院長 杉村肇先生
プロフィール
杉村 肇

1981年  獣医師免許取得
1984年  ドイツ・ハノーバー大学付属動物病院 研修
1985年  オランダ・ユトレヒト大学付属動物病院 研修
1988年  杉村動物クリニック 開業
2014年  「どうぶつ耳科専門クリニック主の枝」開院

2014年に、国内で初の耳科専門の動物病院として開院した「どうぶつ耳科専門クリニック 主の枝」。ハイレベルな知識と技術が求められる専門医として日々診療を行う杉村院長に、開業に至るまでのお話や自身が考える獣医療の展望を伺った。
 1/4ページ  

日本で唯一の動物の耳科専門医

淡路島で開業するまで

私は神戸の出身で、もともとは、ただ漠然と「いい大学に入りたい」という夢しか持っていませんでした。進学のために黙々と勉強をする毎日でしたが、高校2年生の夏休み、岡山県の蒜山(ひるぜん)で酪農実習にたまたま参加する機会がありまして。そのとき、牛の獣医さんの仕事を目にして衝撃を受けたことで、産業動物の獣医師になりたいという目標を抱くようになりました。
生来、動物もアウトドアも好きだったので、そういう牧歌的な環境で仕事をできたらと考えていたのが、具体的な形となったわけですね。
そして進路を変更して、獣医学部のある大学に入学。1984年~1985年、獣医学の研修に行ったドイツやオランダの大学で、ペット医療にも興味を持つようになりました。それ以来、家族の一員として人間のすぐそばにいるワンちゃんやネコちゃんへの治療を本格的に始めて、今に至ります。
この淡路島の地で開院したのは、1988年のこと。父の出身地であり、ゆかりがある土地だったことと、これも自分のアウトドア好きから、都会で暮らすよりは、自然が身近にあるところで暮らしたいと思ったのが理由でした。
ゆったりとのどかな環境は、医療にもいい影響を与えていると思います。

全科診療から専門診療へ

最初は普通の全科診療として動物病院を開業していましたが、当時から、様々な症例で遠方からも患者さんが来てくれました。
なかでも、特に耳に関しては、中耳炎や外耳炎など非常に難しい症例が多くて。そのときには治療法が分からないものもあったので、文献で調べたり、国際セミナーに参加したりしているうちに、例えば中耳炎に関して、外科手術を行うことなく鼓膜を切開して治療する方法を習得していくようになりたくさんの患者さんたちの容体をいい方向に持っていくことができるようになりました。
そんな事情もあったので1992年あたりから、特に耳に関しては比較的力を入れて診療していたんです。しばらくは、耳科を得意とする一般の動物病院としてやっていましたが、2014年12月、耳の専門医として新しいクリニックを開院する運びとなりました。
専門性の高い知識と経験を持っていますので、普通の動物病院ではなかなか治りにくい症例に関しても、なぜ治りにくいのか、これからどのようなケアをすればよいのかなど、なるべく分かりやすくお聞かせできるということから、今まで以上に多くのお問い合わせを頂いております。

専門医として研鑽を積む

まず耳科専門ということで仕事をする以上は、医療レベルもなるべく高く保ち、患者さんにできる限りのことをしてあげたいと思っています。そのためにも、とにかく”研鑽(けんさん)”というところには力を入れていますね。
ヒト(人間)はほかの動物と体の構造は、全然違うし、例えば外耳炎などの発症の病理も異なっていますので、全てが応用できるわけではないのですが、ヒトの治療法は動物にも応用が利くことがあります。
ですので、ヒトの耳科学会にも全日程出席して、技術や知識を参考にさせてもらったり、医科大学に聴講に行ったり、文献を読みあさったりと、その辺にはかなり時間を割くようにしていますね。やはりヒトの医療のほうが研究が進んでいますので、獣医師だからといって枠をつくらず、幅広く勉強することで理解も深まるし、応用が利いていくと思っています。
 1/4ページ