院長/幅田 功 へのインタビュー(2/4)

センターヴィル動物病院 院長 幅田 功 センターヴィル動物病院 院長 幅田 功
プロフィール
幅田 功

昭和45年 日本大学農獣医学部 卒業
昭和48年 カリフォルニア州サンカルロスペットホスピタル研修
昭和52年 東京都目黒区自由が丘にてセンターヴィル動物病院開設
平成4年  日本小動物歯科研究会設立 初代会長
日本獣医臨床病理学会 前副会長 日本大学生物資源科学部非常勤講師
著 書
(共書)イヌの病気百科(研究社)(共書)イヌの病気(講談社)
翻 訳
小動物臨床歯科ハンドブック(チクサン出版) 獣医歯科学(学窓社) THE VETERINARY CLINICS
所属学会
日本獣医腎泌尿器学会 日本獣医臨床眼科研究会 日本獣医麻酔外科学会 日本獣医循環器学会 日本獣医皮膚科学会

自由が丘駅前の喧騒から少し外れた住宅街に佇むセンターヴィル動物病院は、昭和の時代から長い間、この地域の獣医療を支えてきた。病院の大黒柱として敏腕を振るう幅田先生に、自身の考える獣医療についてお話を伺った。
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獣医療研究のため渡米したころのお話(1)

当時の日本の獣医療とアメリカへ渡ったきっかけ

大きな動物、牛、馬等の家畜に対する治療の勉強もやりました。昭和40年頃は、やっと食糧事情が良くなっていた頃なのですが、それまでは日本の食糧事情を良くするために獣医師は教育を受けていたんですね。
牛乳を始め、牛肉、豚肉、鶏肉、つまりたんぱく質を取れるものを沢山生産して、子供達を育てようというのが国の政策だったわけです。そう考えると現在とは獣医師の立ち位置はずいぶん違いましたね。勿論、いまでもそれは大切な事ですし、当時は小動物の治療だけでは仕事が足りなかったというのが実情でもあります。
そして、こういった状況は私がアメリカに渡った理由でもあります。日本では学べる学問に限りがあったからなのです。例えば外科治療の書籍だと日本だと1ページで終了です。対してアメリカのものは、それこそ鼻先から尻尾まで、あらゆる部位の様々な外科のノウハウが書かれている。将来、自分が好きだった犬や猫の医者になるんだと志して大学に入ってきたわけですから、大学で学べる分野だけでは不十分だった訳です。それがアメリカに渡った大きな理由ですね。

渡米経験をとおして、40年前の当時感じたこと

40年前とはいっても、本当に自分の感覚ではついこの間の事のようですよ。よく考えてみたら40年過ぎていたんですが・・・。まだ海外渡航者が年間140万人程度だった頃です。
確か、当時は成田空港がまだ完成していなくて、羽田空港から旧式のジャンボが出ていました。高度成長の途中の頃です。 向こうでは獣医療の面はもちろん、その他にも色々な事に刺激をうけましたね。土地や食べ物も豊富で、果物やお肉、乳製品等も安くて驚きました。今でもそうですが、アメリカの工業力や資源の豊富さ、また人体そのものにしても、その強さの源を学ぶべきかもしれませんね。
人間的なところの話をすると、これは文化の面ですが、失敗した人を無下にしない文化があります。一度失敗して反省し、悪かったところを改善した人が一番良く物を知っているという考え方です。何が失敗だったかをみんなで共有して、正解に向かおうとする文化があるように感じました。
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