獣医師・歯学博士/林 一彦 へのインタビュー(4/4)

花小金井動物病院 獣医師・歯学博士 林 一彦

林 一彦HAYASHI KAZUHIKO

無麻酔と非抜歯をモットーに動物に負担をかけない歯科治療に取り組んでいます

獣医療の各分野において、一つの専門科目のみに特化して診療を行う動物病院は国内でもその数は少ない。その稀有な存在の一つである花小金井動物病院は、動物の歯科分野の治療を専門的に行う医療機関である。 重度の違いはあれ、口腔内に何らかの問題を抱えている犬は多く、3歳以上の成犬の歯周病罹患率は80%以上とも言われている。この病院で獣医師・歯学博士 を務める林一彦先生は、獣医師であるとともに歯学博士でもあり、「口腔内疾患」の一点にターゲットを絞ることでその専門性を限りない高みへ押し上げている。 自身が長きに渡り研鑽を積み重ねてきた歯科医療について、多くの動物を受け入れる病院のあり方について、医療現場の第一線から林先生の言葉をお届けする。

インタビュー

  • 動物たちがおとなしく治療を受けてくれる理由は、病院の雰囲気や先生のお人柄かもしれませんね

    当院は、初診で怖がっているような子も二度目からは自分から診察台へ乗り尻尾を振るような病院を目指してきましたし、動物たちがおとなしく治療を受けてくれるようにするノウハウはあります。当院では年間に4~5000匹の治療を行いますので、だいたい1日に25匹くらいになるでしょうか。そういったノウハウがなければそれだけの治療は行えませんよ(笑)。
    動物病院では治療のノウハウと保定のノウハウ、その他いろいろなノウハウが全部揃っていなければなりませんし、これに関しては当院スタッフ全員に徹底的に指導しています。動物病院だから動物たちを不安にさせないようにすることが大切ですよ。注射で痛い思いをしても行くのが嫌じゃないなと思ってもらえるように扱うことが重要だと思います。

  • 口腔トラブルの予防と早期発見のためにすべきこと

    飼い主さまによれば、ペットの口の中の異常に気がつくきっかけは口臭によるものが多いようですが、口臭を感じ始めた時には既に症状が進行してしまっているケースが多く、それ以上の悪化を止める治療が主になってしまいます。 そうならないためにも、普段から口の中をチェックする習慣を身に着けたいものですが、口の中を覗かれることを嫌がるのでチェックできないという飼い主さまは多くおられます。しかし厳しいことを言ってしまうと、それは躾ができていないということなので、小さな頃から口を開ける練習をしておけば嫌がらずに見せてくれるものです。
    私はドッグトレーナーの団体に講習をすることも多いのですが、子犬の段階でお座りやお手、吠えないようにするという躾だけではなく、口の周りを触ることに慣れさせる練習をしてくださいと伝えています。一般のご家庭でも、子犬の頃から歯磨きを習慣化し、大人になっても良好な口内環境を保っていけることが理想ですね。