Veterinarian's interview

インタビュー

心と心のふれあいを大切にした細やかな診療。皮膚疾患をはじめ、多くの悩みに真摯に応えます。 心と心のふれあいを大切にした細やかな診療。皮膚疾患をはじめ、多くの悩みに真摯に応えます。

心と心のふれあいを大切にした細やかな診療。皮膚疾患をはじめ、多くの悩みに真摯に応えます。

かどやアニマルホスピタル

門屋 美知代院長

東京都 府中市

かどやアニマルホスピタル

門屋 美知代院長

かどやアニマルホスピタルは、国分寺街道沿いにあるピンクの看板が目印の動物病院。院長の門屋 美知代先生は大学を卒業後に勤務した病院で皮膚病のペットが多いことを実感し、皮膚疾患のスペシャリストとなるべく勉強や研究を続けてきた獣医師だ。アレルギーやアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を得意としているが、内科疾患や眼科、外科診療、健康診断や予防診療、爪切りなどのケアまで幅広く対応してくれる。飼い主さまの立場を考え、心の通った質の高い診療を大切にされているという門屋院長に、予防の大切さや皮膚科診療に対する思いなどを伺った。

contents 目 次

獣医師を志したきっかけを教えてください

子供の時、それこそまだ「獣医師」なんて言葉も知らない頃でしたが、家の近所に動物病院が出来たんです。学校に通う時に毎日「獣医」という文字を見ていて「獣医って何だろう」と思って調べたんです。そこで興味を持ったのがきっかけかもしれません。小さい頃から犬を飼っていて、元々動物は好きでしたが、その時に初めて動物に関わる仕事として「獣医師という職業があるんだ」と意識しましたね。

これまでの経験で印象に残っていることは何でしょうか

ペットの皮膚トラブルで悩んでいる飼い主さまが多いのですが、私は皮膚科が得意で、皮膚科の研究で博士号を取得しましたし、日本獣医皮膚科学会認定医の資格も持っています。そのため、皮膚に関しては特に専門的な診断や治療ができるのが強みです。皮膚疾患は病院によっては単なる皮膚炎と診断されてしまうこともあるので、病院に通っているのに良くならないと悩みを抱えている飼い主さまも多いんです。他院からうちに転院してきて、皮膚専門の診断や治療ができたおかげで「良くなりました」というお声をいただくこともあって、やはりそういったときは嬉しかったですね。

また、ペットが亡くなってしまった後、新しい子を飼い始めた方が「この子も先生のところで診てください」と連れて来てくださる時も同様です。再び私を選んでくださったということは、それまでの診療や私たちの姿勢を飼い主さまが信頼してくれたということだと思うので、すごく嬉しいですね。

開業に至った経緯をお聞かせください

子供の頃から私の中では動物のお医者さん=動物病院を開業しているというイメージが強かったんです。ですので、大学在学中も開業のことを考えながら勉強していましたね。獣医師という職業で製薬会社に勤務したり公務員になったりという選択肢があることは大学に入ってから知ったのですが、自分には興味がなかったというか(笑)。あくまでもお医者さんとして動物を診たいなという思いが強かったですね。

また、今でこそ大きな病院や、専門的分野を持っている動物病院が増えてきて勤務医として専門的な診療をする体制が整っていますが、私が大学の頃はまだそんな病院が少なかったんです。だから私の中では、まず開業することが目標でした。卒業後は動物病院に就職したのですが、開業するなら専門分野を学びたいと思い、興味があった皮膚科について東京農工大学の大学院で勉強し直して、2005年に開業しました。

皮膚科に注力するようになったきっかけは、何だったのでしょうか

勤務医だった頃に、皮膚病の動物たちが来院することがとても多かったのですが、どんな症状でも同じ薬、一種類のシャンプーしか使われていない現状を見て疑問に思ったことがきっかけですね。皮膚病といっても原因や症状は様々なのに、当時はどれも同じ「皮膚炎」と画一的に診断して同じ薬を出すというケースが多かったんです。皮膚トラブルで来院する子は凄く多いのに、このままで良いのかなと思うところがありまして。それで皮膚病のことをもっと詳しく勉強したいと思ったんです。

ちょうど皮膚科の分野で有名な先生が東京農工大学に転任していらしたという話を聞いて、これはチャンスだと大学院に入り直し東京農工大学で専門的な勉強を開始しました。最初は病院に勤務しながら通っていたのですが、獣医療の現場を実際に体験したことで、より勉強の必要性を痛感した部分もあります。獣医師として、もっときちんと勉強しなければと考えて、いったん勤務を辞めて大学院で専門的な知識を徹底的に身につけ国内のみでなく海外の学会等でも発表しました。

日頃多い相談内容や疾患はどのようなものでしょうか

私が皮膚病が得意だからということだけではなくて、全国的に見ても動物病院に来る疾患の一位は皮膚疾患ですね。あとは外耳炎など耳のトラブルです。皮膚疾患が増えているのは、飼う環境の変化も理由の一つだと思います。昔と違って今は室内で飼う方が多いので、逆にハウスダストや細菌感染などによる皮膚トラブルが増えているのかもしれません。

あとは最近では動物も高齢化が進んでいますから、腎臓病、糖尿病といった慢性疾患や、関節炎、犬特有の心臓病や猫特有の泌尿器疾患なども増えてきています。普段からの状態を注意深く見ていただいて、痒がっていたり、頻繁に足を舐めていたり、赤いブツブツがある、目や耳の辺りが赤くなっているなどの症状がみられたら、皮膚病の可能性が高いので早めに来院していただければと思います。

飼い主さまに普段から気をつけてほしいことはありますでしょうか

予防を軽く見てはいけません。見た目に変化がないから健康だろうと思い込んでいると、ついつい「今月は病院に行かなくてもいいか」とか「今年は診てもらわなくても大丈夫かな」と思ってしまいがちなのですが、病気になってからでは治療も大変ですし、動物への負担も掛かります。動物病院は病気になったから行くところではなく、できるだけ病気にならないようにするために行くところでもあると考えて欲しいですね。

動物は言葉を話せないので、飼い主さまが気づいた時には病気が進行してしまっているケースも少なくありません。定期健診はきちんとするなど、予防に対する意識を普段から心掛けていて欲しいと思います。自分で「大丈夫だろう」とか「もう少し様子を見よう」と判断せずに、ちょっとした異変でもすぐに相談に来て欲しいですね。家族の一員として、長く健康でいられるためにも予防は大切です。何か気になることがあれば、お気軽にご来院ください。

ペットロスについての考えをお聞かせください

私は人の精神科医ではないので、個人的な見解になりますが、健診にもまじめに通ってくださっていて、具合が悪いとすぐに来院され、治療もこちらの説明をきちんと聞いて、検査もきちんと受けてきた飼い主さまには、「動物にとって一番最善の方法を相談し合いながら、お互いにできる限りのことはやってきたのだから、今現在は悲しいかもしれないけど、そのご家庭にやってきたことは動物にとって幸せであったこと、また飼い主さまにとっても動物がいて人生が豊かになったことを幸福だと思って欲しい」というお話をします。

そうすると殆どの方が納得されます。逆に費用が掛かるからと検査を拒んだり、面倒だからと健診に来られなかったりという飼い主さまには、精一杯病気のリスクや治療の可能性を伝えて、後悔が残らないようにというか「ああしておけば良かった」というような気持ちにはならないように努めるようにしています。誰しも大切な動物が亡くなったら「もっとああしてあげれば良かった」と思うはずですので、飼い主さまに後悔が残らない治療やケアを提案することを心掛けています。

どういった飼い主さまが多くいらっしゃいますか

動物を連れて来る飼い主さまって、圧倒的に女性が多いんですよ。でも今は女性も社会で働く人が多いので、病院に連れて来られる時間は限られていますよね。あとお子さんの世話もあってなかなか連れて行けないという人も多いと思います。月曜から土曜は夜8時まで、日曜・祝日でも夜7時まで診療していますし、診療時間をちょっと過ぎても事前に連絡していただければ対応可能なこともあります。

同じ女性として、なるべく働く女性・お母さんたちの気持ちを考えて対応したいなと思っています。当院は私だけでなくスタッフのほとんどが女性なので、親しみやすい、相談しやすいとおっしゃってくれる方も多いです。小さなことでも良いので気軽に相談してくださいね。

今後の目標を教えてください

開業して10年以上が経って、私もオールマイティに色々な症状を診ることができるようになりました。ですが獣医学は日々進歩しているので、学会やセミナーに参加して、治療法や新薬についてももっと勉強し続けていかなければという気持ちは常にあります。学んだことを治療や病気予防に役立てることができるよう、今後も研鑽を積んでいき、動物たちと飼い主さまのためになりたいと思っています。

歳を取ったら今までの経験を頼りに診療し続けるという先生もいますが、私は自らが率先して勉強していく姿勢でいたいと思っています。最新の治療を学ぶということは、高度な治療技術を学ぶというだけではありません。より副作用が少ないように開発された新薬や治療技術についても学べるということです。より積極的に新しい技術を習得して、動物にとってより優しい治療を提供していきたい。そんな思いで日々取り組んでいます。

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