院長/山本 剛和 へのインタビュー (1/3)

山本 剛和YAMAMOTO TAKAYORI
エル・ファーロ(灯台)のように、 灯りを照らすような治療を目指しています
病院名のエル・ファーロは、スペイン語で「灯台」という意味をあらわす。病を抱えた動物たちの「希望の光」、「治療」という海の中で道に迷った飼い主さまの「道標」、混乱した「獣医療」を正しい方向へ導きたい、という思いで開院された動物病院エル・ファーロ。建物のデザインも”灯り照らす灯台”にこだわったという、執筆活動にも精力的に取り組んでいる院長の山本剛和先生にお話を伺った。
プロフィール
- 山本 剛和
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- 出身:東京都
- 趣味・特技:音楽鑑賞、ギター、ウクレレ、バンジョーなど弦楽器を弾くこと、子供と遊ぶこと
- 所属 / 役職
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- 動物病院エル・ファーロ / 院長
- 所属学会
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- 日本創傷治癒学会
- 日本獣医神経病学会
- 日本獣医腎泌尿器学会 など
- 学歴
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- 1995年3月 日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部 獣医学科を卒業
- 経歴
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- 都内・近郊の動物病院で勤務したのち、日本獣医畜産大学附属家畜病院(現動物医療センター)で研修を経験。
- その後Animal Wellness Center(東京都西東京市)の院長を務め、2005年2月 東京都大田区にて動物病院エル・ファーロを開設
インタビュー
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まずは、山本先生が獣医師を志したきっかけを教えてください
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そもそも小さいころから虫や動物や様々な自然現象に興味を持つ子供だったのですが、私は少年時代の一時期を福島県の原ノ町、現在の南相馬市で過ごしていたことがあったんです。南相馬市は馬の産地なので、野馬追という馬の文化があったり、牧場があったり、馬に接する機会が多かったんですね。毎週、牧場に通って馬の世話をして馬に乗っていたので、もちろん馬が大好きで、馬にかかわる仕事をしたいとずっと思っていました。その後、進路を考える時期になってもその気持ちは変わらずそのまま獣医学部を受験したのが獣医師になったきっかけですね。
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開業しようと思ったターニングポイントはいつでしたか?
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元々は馬に関わりたくて進んだ獣医師の道ですが、北海道でしばらく馬の臨床を経験したのち、幾つかの転機があり、東京に戻って犬・猫など伴侶動物の臨床を本格的にやり始めたんです。当初は経験が少なかったこともあり、大学病院の研修医を1年半経験しました。そこで知識とスキルを身に付けたのですが、大学病院に行った一番のメリットは、人間関係を広げられたことかもしれません。
大学のさまざまな専門医の先生たちや、今後専門医になっていくような優秀な若い先生たちと知り合うことができたことは、その後臨床の仕事をしていく上で現在に至るまで、私にとって非常に大きな財産となっています。
さらに都内近郊の動物病院で勤務医・勤務院長として数年間臨床経験を積み、ちょうど卒業後10年経ったのを期に独立・開業するに至りました。
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これまでの経験の中で印象に残っている事があれば教えてください
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ここを開業する前の病院でのことなのですが、原因不明の便秘のダックスフンドを診察したことがありました。それまでに大学病院を含めた数か所で診察を受けていたのですが原因が判らず、飼い主さまも困って獣医不信のような状態になっていました。
当院で幾つかの検査をした結果、お腹の中に大きな肉芽腫が出来て腎臓や小腸・大腸、膀胱などの臓器があちこちで癒着し結腸を巻き込んで通過障害を起こしたことにより便が出にくくなっていることが判りました。実際にお腹を開けて確認してみると、複数箇所で癒着が起きておりかなり酷い状態でしたが、約5時間に及ぶ大手術とその後の集中治療によりなんとか無事に退院することができました。その時のことは良く覚えています。その飼い主さまとはいまだに年賀状のやり取りなど折に触れて交流が続いています。

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