副院長/近藤 仁 へのインタビュー (1/3)

近藤 仁KONDO HITOSHI
ご家族に寄り添いながらそれぞれに合った最適な医療を提供するために、日々努力を重ねています
三重県伊勢市に根を下ろす「こんどう動物病院」は、地域に暮らす動物たちの健康を守るホームドクターとして40年以上の永きに渡り獣医療の提供を行っている。この病院で副院長を務めるのは、三重県唯一の獣医皮膚科学会の認定医として、病院を訪れる多くの方のために腕を振るう近藤仁先生だ。
高い見識を持って治療を行う身でありながら謙虚な姿勢を崩さないその口調からは、さらに先を目指す獣医師としての意識の高さを感じ取れた。
近藤先生が日頃行う皮膚科診療や、自身のこれまでの経験など、様々なことを語っていただいた。
プロフィール
- 近藤 仁
-
- 出身地:東京都
- 所属 / 役職
-
- こんどう動物病院 / 副院長
- 所属学会
-
- 日本獣医師会
- 日本獣医皮膚科学会(2014年 認定医取得)
- アジア獣医皮膚科学会
- 比較眼科学会(2015年 臨床生涯教育プログラム修了)
- 日本レーザー獣医学研究会
インタビュー
-
獣医師を志したきっかけについて教えてください
-
小さな頃から生き物が好きで、昆虫からはじまり、魚・犬・猫など、さまざまな生き物と一緒に暮らしていました。
獣医師になりたいと強く思ったきっかけは、事情があって自分が飼っていた動物たちを病院に連れていくことが出来ず、そのまま弱っていく姿を目の当たりにしながらも、自分は何もしてあげられなかったことです。その時に感じた無力感は、今でも強く覚えています。
テレビで見たムツゴロウ王国の番組の中で、動物たちに真剣に向かい合う獣医師の方の姿に感銘を受けたこと、獣医師になれば、この手で動物たちを助けることが出来る! 当時うちは破産し、家も差し押さえられたりしたので、学費も親に頼れない状況でしたが「何としても!」と言いう強い気持ちで獣医師への道を目指すようになりました。追い込まれていたので、獣医学科に合格も出来たと思います(笑)。
-
獣医師としてのやりがいについて教えてください
-
ヒトの医療と同じように、獣医療も日進月歩で発展を続けていて、今までは正しいとされていたことが変わることもあり得ます。日々変化と発見が繰り返される中に身を置くことは刺激があり、やりがいを実感しています。
目の前の動物たちに自分一人では何も出来なかった新米の頃から何年も経ちましたが、今でも自分はまだまだだと思っています。おそらく、この仕事を続けている間はずっと「自分はまだまだ。」そう思い続けるのだと思います。
-
これまでのご経験の中で特に印象に残っている出来事はありますか?
-
自分が向き合う動物たちに対しては、何とか治してあげたいという気持ちを持って治療に取り組んでいますが、中には思うように治療の結果が出ないこともあります。
そんな時、私を一言も責めることなく「一番辛いのは、この子だもんね」とおっしゃった飼い主さまには胸が詰まりました。
治すことが出来ない、自分の力が及ばない時ほど、「飼い主さまのために自分は何が出来るのか?」を考えますね。飼い主さまに出来るだけ悔いが残らないように、動物たちと飼い主さまが残された時間を少しでも穏やかに幸せに過ごしていくための出来る限りのお手伝いをさせてもらえればと思っています。

- このページをみんなにシェア!
- ツイート
-