副院長/近藤 仁 へのインタビュー (2/3)

副院長/近藤 仁 へのインタビュー (2/3)

近藤 仁KONDO HITOSHI

ご家族に寄り添いながらそれぞれに合った最適な医療を提供するために、日々努力を重ねています

三重県伊勢市に根を下ろす「こんどう動物病院」は、地域に暮らす動物たちの健康を守るホームドクターとして40年以上の永きに渡り獣医療の提供を行っている。この病院で副院長を務めるのは、三重県唯一の獣医皮膚科学会の認定医として、病院を訪れる多くの方のために腕を振るう近藤仁先生だ。
高い見識を持って治療を行う身でありながら謙虚な姿勢を崩さないその口調からは、さらに先を目指す獣医師としての意識の高さを感じ取れた。
近藤先生が日頃行う皮膚科診療や、自身のこれまでの経験など、様々なことを語っていただいた。

インタビュー

  • 皮膚科については特に高度な治療を行っておられると伺っています。数ある治療分野の中から皮膚科に注力したのはなぜですか?

    皮膚科にのめり込んだきっかけとなったのは、勤務医としてお世話になった病院の院長先生との出会いでした。「獣医の一般診療で一番多いのが皮膚病だから」と、院長先生の繋がりで勤務一年目から皮膚科専門病院での勉強会に参加する機会を与えられました。
    勤務後の夜から深夜にかけて開催される月に1度の勉強会でしたが、そこで皮膚科医療について基礎からしっかりと学ばせていただけたことで今の自分があります。その勉強会で出会ったメンバーは互いに刺激し合える存在であり、今でも仲良く付き合いが続いていますね。

  • 小動物の皮膚疾患とは、具体的にはどういった内容のものなのでしょうか?

    まず犬の場合に多いのは感染症なのですが、細菌による膿皮症やマラセチア皮膚炎、また体質が関与するアトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎が多いですね。また、高齢になると内分泌疾患というホルモンバランスが崩れてしまっている事で皮膚疾患が悪化しているケースもあります。
    さらに日頃の食べもによっておこる食物有害反応や、間違ったスキンケア、犬種特有の肌質や毛の生え方、さらにはストレスなど症状を引き起こす原因はさまざまで、一つの原因だけで無い事も多く、その絡み合った原因を紐解いて行きながら原因を正確に把握することが治療のカギとなります。このような事からも皮膚疾患はその他の病気と比較して症状が長引く事も多く、治療が長期にわたることが多いのも特徴です。特にアトピー性皮膚炎では完治と言うのは難しく、生涯にわたって管理や治療が必要となると考えております。
    ですから、皮膚科はとても飼い主様とのコミニュケーションが重要でありまして、おしゃべり好きな僕には皮膚科が向いているとも言えるんですよね(笑)。
    猫の場合は、ノミや疥癬などの寄生虫や、カビの一種である糸状菌による皮膚炎などが多いですね。皮膚糸状菌症は特に免疫力の弱い子猫に多い病気です。多数の猫と一緒の環境にいるとかかりやすいため、ペットショップなどから迎えた子は注意してみてあげてください。

  • そういった疾患に対する代表的な治療はどういった方法でしょうか?

    どんな皮膚疾患においても、まず大切なことは適切なスキンケアです。どこに、どんな症状があり、それは何が原因なのかを正確に把握し、皮膚の状態、肌質に合ったケアを行うことが治療のベースとなります。感染症のコントロールや、痒み、炎症を抑えるための内服薬を織り交ぜながら、皮膚のコンディションをコントロールし、適切な状態を管理することが大切なのです。皮膚のコンディションのコントロールに食事内容が絡んでくる事も多いですね。例えばですが、「パン」を止めていただいただけですっかり皮膚病が再発しなくなったケースも何度も経験しております。
    そしてなによりも、皮膚病の治療には飼い主さまの協力が必要不可欠です。特に薬を飲ませたり、日常のスキンケアは飼い主さまが中心となって行う必要があり、それにより症状の改善に繋がると言っても過言ではありません。ある意味飼い主さまは治療をする〝選手“であり、僕はそれを支える〝コーチ”的な存在でしょうね。

施設情報

こんどう動物病院

住所
三重県 伊勢市 小俣町宮前724
アクセス
JR参宮線/近鉄伊勢市駅からバス約20分
◆伊勢市駅より三重交通バス 「高畑」下車徒歩3分
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