Veterinarian's interview

インタビュー

大切な動物のホームドクターとして、飼い主の皆さまの要望にお応えできるよう万全の体制を整えて診療を行っています 大切な動物のホームドクターとして、飼い主の皆さまの要望にお応えできるよう万全の体制を整えて診療を行っています

大切な動物のホームドクターとして、飼い主の皆さまの要望にお応えできるよう万全の体制を整えて診療を行っています

ネクスト動物医療センター

川上 亮院長

ネクスト動物医療センター

川上 亮院長

2013年に兵庫県芦屋市にて開院したネクスト動物病院は、現在ではその名をネクスト動物医療センターと改め、一般的な診療に加えて眼科や外科、腫瘍科に関して高度な医療を実施している。
日々、地域の動物に関する様々な症状に向き合っている川上先生に獣医療の現状や将来について忌憚のないご意見を伺った。

contents 目 次

まずは、川上先生が獣医師を目指したきっかけを教えてください。

祖父が開院していた動物病院に頻繁に出入りして祖父の診療風景を何気なく眺めていた際に、「カッコイイなぁ」と思ったのが獣医師を目指すようになったきっかけだと思います。祖父は私に動物医療に関する様々なことを教えてくれましたが、もしかしたら祖父は私に跡を継いでほしいと思っていたのかもしれません(笑)。

現在、祖父の動物病院は叔父が継いでいますので、私は独自にネクスト動物病院を開院することにいたしました。

獣医師になって様々なご経験をされていると思いますが、その中で印象的な思い出や出来事はありますか?

当病院で診療を担当していたワンちゃんを亡くされた飼い主さまがいたのですが…しばらく経ってからその飼い主さまが新しいワンちゃんを飼い始めて、当病院にまた来院していただいたことが非常に嬉しかったですね。

ワンちゃんを亡くされた飼い主さまがペットロスを断ち切って新しいワンちゃんとの生活に一歩踏み出されただけではなく、そのワンちゃんの健康管理を再び当病院に任せようと思っていただけたことは私にとって二重の喜びでした。今後もこのようにペットロスで悩まれる飼い主さまを減らしていけるように、しっかりと飼い主さまの気持ちに寄り添った診療とケアを心がけていきたいと思います。

こちらの病院で行っている診療の中で一番重視していることはどのようなことでしょうか?

言葉を話すことができない動物たちを治療するにあたっては、動物はもちろん、飼い主さまの気持ちも汲み取った治療を実施する必要があると思います。よって、双方から信頼してもらえるような診療を提供するためにも、文字通り「真摯に対応する」ことを常に心がけています。

当病院では外科や眼科、腫瘍科に関しては高度医療も提供していますが、症状や身体状態によっては当病院での診療が困難な場合があります。そのような場合にも正直に誠実にお話し、必要に応じて適切な医療機関をご紹介するようにしています。

川上先生は眼科・外科に関して専門的な治療を行っていると伺っています。動物の眼科というと、多い症例にはどんなものがありますか?

近年多く見られる症状は緑内障と白内障ですね。緑内障は現在の獣医療のレベルでは完治させることが難しい症状ですが、早期発見と早期治療によって症状のコントロールができるようになっています。当病院では点眼薬を使った内科的治療を最初に実施いたしますが、内科的治療で対応できない場合には手術を始めとする外科的治療を検討していくことになります。

また、白内障に関しては視覚の喪失や疼痛が発生する可能性が高いこともあり、手術による外科的治療をお勧めしています。当病院では眼科症状の早期発見と早期治療のためにも、眼科検診を受けさせるように積極的に推奨しています。

外科症状については症状も多岐に亘ると思いますが、その中でも治療の機会が多いのはどういったものでしょうか

近年では動物の飼育環境が変化したこともあり、整形外科であれば脱臼、または高齢動物の腫瘍などの治療を求めて来院される飼い主さまが多い印象です。脱臼は骨折とは違って全ての動物に対して手術が必要なわけではありませんが、放置したままだと将来的に関節や靭帯の痛みや歩行障害が発生する可能性があります。当病院では保存療法や手術整復などから、適切と思われる治療をしっかりと見極めた上で可能な限り身体に負担のかからない手術を実施しています。

綿密な術前検査や安全な麻酔管理などを実施することによって、手術自体を可能な限り短時間で終了させるように心がけ、飼い主さまにも安心して手術を選択していただけるように、手術の必要性やメリット、デメリットなどをしっかりと説明した上で実施しています。

セカンドオピニオンも積極的に啓蒙しておられると伺っています

飼い主さまが安心できる獣医療を提供するためにも、セカンドオピニオンは有効に活用していくべきだと考えています。治療の際は必ずきちんとしたご説明を行っていますが、それでも他の獣医師の先生の意見も聞いてみたいと思われる方もいらっしゃると思います。

そのような飼い主さまであっても安心して動物を預けていただけるように、他の動物病院でのセカンドオピニオンをおすすめしています。もちろん、必要な資料や検査結果などは提供いたしますので、遠慮なくお申し付けいただきたいと思います。

これからの獣医療はどうなっていくと考えられていますか?

人間に対する医療だけではなく獣医療の世界も日々進歩しており、私が獣医師になった時には治療が難しいとされていた症状であっても、新しい治療法や薬の開発などにより治療が可能になっている場合も多々あります。当病院でも新しい治療法や薬などの情報を収集するために、学会やセミナーなどにも積極的に参加するようにしています。しかし、当病院では新しい治療法や薬に関しては、ただ新しいというだけで採用することは決してございません。飼い主さまが大切にしている動物の身体や健康に直接関係する問題ですので、エビデンス(根拠)がしっかりと明示されている治療法や薬を厳選して使用するようにしています。

人間の医療と並行して獣医療も発展していくことは間違いないと思いますが…症状の複雑化が進んでいくことによって、眼科や外科、内科のように単一の専門科目による診療ではなく、複数科目にまたがるような診療が主になっていくと考えています。

つまり、これからの動物病院は専門病院化するのではなく、総合病院化していくのかもしれません。特に飼い主さまに近い立場にいる地域の動物病院は「かかりつけ医」として浅く広い症状に対応することを求められ、万が一対応できない症状の場合には専門的で高度な治療を実施している病院にお任せするという風に、病院としてのあり方も二極化していくように思います。

最後に、飼い主さまへのメッセージをお願いします

人間の医療と同様、飼い主の皆さまには動物に関しても信頼できる「かかりつけ医」を持たれるべきだと思います。日々の獣医療の進歩に合わせて、治療はますます高度化や細分化が進んでいますので、「眼に関する症状ならこの病院、内科に関する症状ならこの病院」と症状によって利用する医療機関を変えている飼い主さまも多いのではないかと思いますが、身体に関する全てのことを把握している「かかりつけ医」を持つべきだと思います。

当病院はかかりつけ医を求めている飼い主さまのご要望にしっかりとお応えできるように万全の体制を整えています。どうぞお気軽にご相談ください。