オーナー/小山 豊 へのインタビュー (1/3)
小山 豊KOYAMA YUTAKA
自然の中にいるようなくつろぎと解放感をワンちゃんに味わってもらいたい
小山さんとお話ししていると、太古の時代から人とワンちゃんがともに仲よく分かち合ってきた「時」が偲ばれてならない。サロンの中に座っていると、トリミングサロンに来ているというよりも、自分の家の縁側で自分の犬と自然に過ごしているかのような錯覚も覚える。小山さんが生まれ育った故郷倉敷の温暖な気候と古く美しい街並み、子どものころから尊敬を込めていつも見ていたご両親の背中、進んで飛びこんだ短期間の異業種体験、そして何よりも純粋にワンちゃんを愛する小山さんの心、それらすべてが絶妙にマッチした結果がこの珍しい和テイストの「トリミング処 犬の和心」を実現させたのだろうか。その核心に迫った。
プロフィール
- 小山 豊
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- 出身地:岡山県倉敷市
- 趣味・特技:スノーボード
- 今まで飼った動物:犬・セキセイインコ・亀
- 所属 / 役職
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- トリミング処 犬の和心 / オーナー
- 経歴
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- 高校卒業後トリミングスクールに通い、学内コンテストで最優秀賞を受賞
- 卒業後は恩師の経営するサロンでの勤務
- 2008年「トリミング処 犬の和心」をオープン
インタビュー
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まずは、小山さんがトリマーを志したきっかけを教えてください
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私の両親は揃って捨て犬の保護活動を熱心に行っていました。そのため、物心ついたころから家にはいつも複数の犬がいる環境でした。でも、そういった犬たちは短毛種の犬がほとんどでしたので、トリミングサロンに連れていくということはありませんでしたし、当時はトリマーという職業があることも知らなかったんです。
高校で進路を考える段になって初めてトリマーという職業の存在を知り、動物好き、ことにワンちゃん好きを生かすには最適な仕事と思い、専門学校への進学を決めたのです。学内コンテストで最優秀賞をいただいたこともあり、専門学校の先生が運営されているサロンでぜひ勤めてくれと言われ、初めはそちらでお世話になることにしました。またトリマーとして働く一方で、トレーナーとしての勉強も同時に行っていました。
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そちらのサロンで何年か勤められた後に、ご自分のサロンをオープンされたのですか?
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自分のサロンをオープンする前に、少しの間だけトリマー業と並行してアパレルや雑貨関係の仕事にも携わりました。若さもあり、他の業種や業界も自分の目で見てみたいという気持ちがあったのです。自分のサロンをつくるときに、内装や小物選びなどにファッション業界で勉強したことは役に立ったと思います。「人生にムダなものは一つもない」と言いますが、まさにそのとおりだと思いますね。もっとも私のサロンはアメリカンカジュアルでもなく、ヨーロピアンクラシックテイストでもなく、エスニックでもなく、純和風をコンセプトとしています。
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確かにこんなにも純和風のサロンは初めて見ました。なぜ「和」のテイストを取り入れられたのですか?
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まず、ワンちゃんが実際に生活している日本の自然の世界にできるだけ近いもの、木や竹や土を中心とした内装にすることによって、ナチュラルなリラックス効果が得られると考えました。私は岡山県倉敷市の生まれで、実家もまわりも土壁の家などが多かったので、自分自身にとってもそういった雰囲気が自然で落ち着けるものだったということもあります。ワンちゃんをシャンプーするこの浴槽も、備前焼なんですよ。昔の「五右衛門風呂」のように底には板を敷いてあります。皆さんも温泉などに行かれると、岩風呂や檜の浴槽など、その感触の違いを楽しまれることと思います。ワンちゃんにとっても、どっしりと土に包み込まれるような温もりを感じてもらえていることと思っています。
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