代表/菊池 亮 へのインタビュー (2/3)

GALLERY ARTESTA -ギャラリーアルテスタ- 代表/菊池 亮

菊池 亮KIKUCHI RYO

愛犬との縁が、美容師の自分をトリマーに導いてくれた。

人の美容と動物のそれとの間にある隔たり。それは、現場に立ち実際にハサミを握る人たちにとって、非常に大きなものであるのは想像に難くない。
その隔たりを乗り越え美容師からトリマーへ活躍の場を移したのは、自身がプロデュースするGALLERY ARTESTAで代表を務める菊池 亮さん。
異色のキャリアを持ちながら、トリミング以外にも様々な面で辣腕を振るい多忙な日々を送る菊池さんに、これまでのご経験や自身のこれまでの歩み、今後の展望などのお話を聞かせていただいた。

インタビュー

  • 菊池さんがカットを行う際に心掛けていることはどんな事でしょうか。

    僕は自分のカットスタイルを「J-POPトリミング」と名付けて、そのために3つの要素を特に大切にしています。
    1つは共感性です。どんなスタイルであっても、誰が見ても「かわいい」「素敵だね」「変わった髪型しているけどなんかいいね!」と思ってもらえるのが大切だと思っています。極端な話ですが、別の国、別の文化・感覚のある場所にいる人が見ても、共感してもらえるものを追求することですね。
    もう1つは再現性です。ワンちゃんは人間のヘアカットのように整髪料は使えないですし、毎朝鏡を見て毛並みを整えてくれることもありません。強い風が吹いて毛並みが乱れても、体を振るったら元に戻っているというのが大切ですね。
    3つ目はデザインと実用性のバランスです。デザイン重視のスタイルをして、日常生活に支障があるのでは意味がなく、逆にお手入れが簡単だからといって、スタイルがおざなりになることのないようにしています。飼い主さまのお手入れと、かわいいデザインの両方を実現するのがトリマーなので、そのための工夫を疎かにしたくはないと思っています。
    それを実現するために大切な飼い主さまとのコミュニケーションは何より重視しています。

  • 菊池さんにとって、カットデザインのアイディアや想像力の糧になるのはどんなことでしょうか。

    実はカットに関しては、かなりロジカルな考えを持って行っています。ワンちゃんの顔の造りやバランスを考えると、かわいく、かっこよく見えるスタイルはある程度決まっています。そこはその様式に従う形で、忠実な再現を行います。
    トリマーとしての閃きや感性が必要となるのは、その先にある部分。つまり飼い主さまからプラスαのご要望をいただいたときですね。しかし実際には閃きというよりも、これまでに培った経験を組み合わせてご要望に応えていきます。その組み合わせ方が、傍から見ると珍しい閃きのように見えるのかもしれません(笑)。
    カラーリングの色合いを考える際は、スイーツを参考にすることもあります。スイーツの見栄えは、美味しそう、かわいいといった印象を持たれるように工夫されているので参考になる部分も多いんです。