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院長 ／ 近藤 元紀インタビュー

獣医師を目指したきっかけを教えてください

実家が農家で、ブロイラーといって食肉になる鶏の養鶏場をやっていました。子どもの頃から生き物が近くにいて、もともと動物は好きでした。ただ私が小さい頃はまだ野良犬がいて、鶏の小屋に入って荒らされるという被害があったので、犬は飼ってはいけないと言われていたんです。
高校2年生の時に進路を決めるとき、農家だったこともあり、農学部に行こうと思って調べていたところ、日本獣医畜産大学という大学があることを知ったんですね。そこで「名前が面白いな。獣医も農学部の一種だな」と気がつき、父に「獣医はどうだろう」と相談したところ、「いいんじゃない」ということだったので、獣医を目指すことにしました。ちなみに私は長男なので、トラクターに乗って田植えもしているんですよ。

獣医師としてやりがいを感じるのはどんなときですか

この仕事は面白いし、やりがいがすごくあると思います。当院は指名制なので、自分が指名されてお話をして「今日先生に診てもらえて本当に良かった」と言われた時が、特に嬉しいですね。動物の病気が良くなるのももちろん嬉しいのですが、飼い主さまから頼りにされて、期待に応えられた時にやりがいを感じます。飼い主さまの中には、私が院長だから見てもらいたいという方もいれば、ベテランの先生なら良いという方など、いろいろな方がいらっしゃいます。私も時にいろいろとご意見することもあると思いますが、それが良いという方もいればそれが苦手だという方もいらっしゃいます。
現代は多様性の時代と言われており、たくさんの方がいてそれぞれの好みがあります。動物病院もまさにそうで、当院には多くの先生が在籍しているので、飼い主さまそれぞれに「この先生がいいな」と思える獣医師の診察を受けていただきたいと考えています。指名制は飼い主さまのメリットにもなりますし、獣医師にとってもモチベーションになると思っています。

「体験型動物病院」を考えられたのはどのようなきっかけがあったのですか

私の子どもが小さい頃、病院の消毒用アルコールを誤って飲んでしまったことがあり、そのときに救急病院で処置が終わるのを待っている間、どういったことが行われているのか、不安を感じた体験が元になっています。
飼い主さまの立場になって、「処置室に連れて行かれて何をされているかわからない」という不安を取り除くことができるよう、当院には清潔区域などを除き、すべての場所に飼い主さまに入っていただけるようにしています。
病気の子に対する私たちの評価と、飼い主さまが思っていることにギャップがあると、「どうしてこんなに治療に時間がかかるの？」といった疑問が生まれてしまいます。事前に説明をし、最初の段階で理解してもらえれば、そういう疑問は生まれないはずなんですね。どれくらい大変なのか、ということを見てもらうことがすごく大事だろうなと思っています。

今後の目標についてお聞かせください

当院は「人と動物、子どもたちが安心して暮らせる社会をつくる」ということを理念にしています。私自身はここ以上の病院はないと思ってやっているのですが、ただ単に病気を治すだけでなく、それによって人と動物との関係性が良くなることをめざしていきたいですね。子どもはやはり動物と一緒に育っていきますし、飼い主さまは何とか良くしたいという一生懸命な思いで連れていらっしゃいます。当院は、単なる動物病院の枠を超えて、飼い主さまの幸せや、子どもの幸せなどいろいろなことに繋がっていけるよう、安心感を与えられる病院でありたいです。