院長/杉村 肇 へのインタビュー(2/4)

どうぶつ耳科専門クリニック 院長 杉村肇先生 どうぶつ耳科専門クリニック 院長 杉村肇先生
プロフィール
杉村 肇

1981年  獣医師免許取得
1984年  ドイツ・ハノーバー大学付属動物病院 研修
1985年  オランダ・ユトレヒト大学付属動物病院 研修
1988年  杉村動物クリニック 開業
2014年  「どうぶつ耳科専門クリニック主の枝」開院

2014年に、国内で初の耳科専門の動物病院として開院した「どうぶつ耳科専門クリニック 主の枝」。ハイレベルな知識と技術が求められる専門医として日々診療を行う杉村院長に、開業に至るまでのお話や自身が考える獣医療の展望を伺った。
  2/4ページ  

動物にも高度な医療を

なぜ今、高度な動物医療が求められるのか

昔から、罹患している動物たちの数自体は変わらなかったんだろうと思います。30年位前まで、ほとんどのワンちゃんは外で飼われていて、その役割も番犬という意味合いが強かった。
しかし今では、家族の一員としてヒトと一緒に暮らす場合が多くなりました。これはネコちゃんも同じで、様々な理由から、家の中だけで飼われることも一般的になっています。
暮らしを共にしていると、飼い主の方も家族の一員としていつも身近にペットを見ているので、その変化によく気付かれるんですね。この子はいつも耳を気にしているとか、よく頭を振っているとか、耳を見たら汚れが目立つとか、ニオイがするだとか。
だから今まで以上に、その子たちを何とかしてあげたいという気持ちが、飼い主さんの中で大きくわき起こるのだと思います。
そういうお声にはお応えしたいですし、ワンちゃん、ネコちゃん、動物たちが辛い思いをしていて、そこから開放してあげる術を自分が持っているなら、その術を提供してあげられたら嬉しいと思います。

耳科専門ならではの苦労も

動物たちは治療の間にじっとしていることができませんので、少し込み入った症例の患者さんのほとんどに麻酔が必要になってきます。麻酔なしでの検査や治療は動物たちに「恐怖」や「苦痛」を与えることになりますし、ヒトより複雑な構造をしている動物たちの耳を時間をかけて丁寧に処置することを考えても現実的ではありません。
麻酔をするにあたっては、前もっての綿密な健康診断から始まり、その上で麻酔、それからの検査、治療になるので、一件あたりの処置時間がすごくかかってしまうというのが、今の悩みです。もちろん全ての患者さんに最高水準の丁寧な医療を提供し続ける必要があるのですが、一方で、ほかにも多くの患者さんが待っていることを思うと、もどかしい気持ちですよね。
  2/4ページ