Veterinarian's interview

インタビュー

地元の皆さまに愛される動物病院になるとともに、獣医療における内視鏡の分野でわずかでも貢献できればと思っています 地元の皆さまに愛される動物病院になるとともに、獣医療における内視鏡の分野でわずかでも貢献できればと思っています

地元の皆さまに愛される動物病院になるとともに、獣医療における内視鏡の分野でわずかでも貢献できればと思っています

練馬テイルズ動物病院

石川 朗院長

東京都 練馬区

練馬テイルズ動物病院

石川 朗院長

西武線池袋線の練馬駅で電車を降り、閑静な住宅街を抜けたところにある「練馬テイルズ動物病院」。2014年12月で開業から一年を迎えたこの病院では、ある専門的な治療に力を注いでいた。近代治療の可能性とは何か、院長の石川先生にお話を伺った。

contents 目 次

獣医師を志したきっかけ

きっかけですか~、幼い頃から動物が好きだったというのはもちろんあるんですが、その動物好きになったことのきっかけがあって、私はここ練馬が地元なんですが、幼稚園の時に埼玉県に住んでいた時期があったんですね。

で、通っていた幼稚園というのが少し変わっていて、園内ですごくたくさんの動物を飼っていたんです。そこがそれこそ動物園のような場所だったんですよ。変わったところだと鹿なんかもいましたよ(笑)。獣医師を目指したきっかけというか、動物好きになったきっかけというのは、幼い頃に身近に動物がいたということの影響が大きいと思いますね。父の仕事の都合で引っ越しが多かったのと、家族の体質的な問題があったりして家では動物が飼えなかったので、幼稚園で動物と触れ合えるのが嬉しかったですね(笑)。

実際に獣医師を志すことに関しては、決定的なこういうことがあったというよりは、幼い頃から自然とこの道に進んできたような感じですね。気づいた時には中学生の頃には獣医師になりたいと考えるようになっていました。

内視鏡治療が得意な動物病院。内視鏡治療とは?

私はこれまでに、内視鏡治療に力を入れて研究、発表、治療を行ってきました。

獣医学の分野では、内視鏡での治療は大きく分けて二つあります。一つは人間と同様で、原因不明の嘔吐や、血を吐いてしまうという時、胃カメラを飲んだり、組織を採ったりして…つまり通常の検査ではわからない時に行う精密検査ですね。

そして、もう一つが異物の除去です。これが人間の治療とは違うところですね。やっぱりワンちゃんにしろ、ネコちゃんにしろ、日常生活の中で色んな異物を飲み込んでしまいますので、それを内視鏡によって摘出します。

20年位前ならレントゲンを撮って異物があるとわかったら、手術で実際にお腹を切って取り除くことが多かったのではないかと思います。今は内視鏡の技術の進歩もあり、胃の中のにある異物は大体取り出せますね。私の経験では九割は摘出できます。もちろん麻酔をかける必要はありますが、内視鏡を使えばお腹を切る必要は無いですし、そうなれば動物の身体にかかる負担が大幅に減るというメリットがあります。

内視鏡治療は近年増えてきた新しい治療法

内視鏡治療は昔からある治療法ではなく、近年で徐々に普及してきていますね。十年位前だとまだ内視鏡がある動物病院さんって少なかったんですよね。ある程度の大きな規模の病院、つまり総合病院と呼ばれるような所でないと置いていなかったと思います。

最近は…異物の誤飲に対して、適切に対処してあげたいという方も増えていますし、だんだんと増えているように思いますね。

実際に異物の誤飲関連で病院を訪れる方は多いですよ。例えば紐で遊んでいる猫ちゃんがいて、飼い主さんがちょっと目を離した間にそのヒモを飲み込んじゃったというケースですと、あれは猫ちゃんが飲み込もうと思って起こるのではなく、あくまで事故なんですよね。猫の舌というのは特徴的で表面がとてもザラザラしています、なので紐で遊んでいて舌に絡まりだすと、本人が飲みこむつもりが無くても飲んじゃうんですよ。

猫ちゃんに関して言えば、異物の誤飲は六~七割がビニールか紐ですね。そういったものが内視鏡で摘出できます。十二指腸より先に進んでしまったものは取れないんですが、そうでなければ問題無いです。家庭で何か異物を飲み込んでしまったことが分かっている場合は、腸閉塞等の重大な病気に発展する前に一度連れて来ていただきたいですね。

内視鏡治療を始めたきっかけ

現在の状況では、内視鏡は獣医師にとってはまだちょっと特殊な技術と言えますね。

私が内視鏡に取り組みだしたのは以前勤めていた病院に在籍していた時で、比較的大きな総合病院だったんですけど、実は内視鏡ってあんまり使われていなかったんです(笑)。そんな中、異物を取る機会があって、興味を持ったんです。あとは、内視鏡というものに単純に興味があったんですね、何というか…上手く言えないですが、フィーリングが自分に合っていたんですね。やはりどこの病院でも持ってる器具ではありませんから、その時にすぐ触れることができる場所にいたというのは大きいですね。

最終的には私を中心として内視鏡を専門で扱う新しい部門を作っていただき、治療を行っていました。他の獣医の先生からの紹介も多くいただいていたので、かなりの患者さんを経験させていただいたんです。
資料的な面でも、経験的な面でも、物凄く成長できたと思います。

病院が心掛けていること

総合的な治療ができる病院を目指していたので、色々工夫して、スタートの時点である程度はの機材を揃えました。もちろん内視鏡においてもそうです。内視鏡を開業の段階で入れている医院というのはあまり無いかもしれないですね(笑)。

この辺りは当院の特徴と言えますし、この分野に力を入れているのは確かです。今後は更に治療の幅を広げられるよう努力していきたいと考えています。

印象に残っている動物や飼い主さんの話

よくこういうご質問を受けるのですが、自分としてはお会いした全ての動物や飼い主さまが特別に感じています。皆さん、考え方も、飼っている動物も、生活スタイルも、本当に様々なので全く同じ診療というのは無いですね。自分と違う考えの方とお話しをすると本当に勉強になりますし、一つ一つの診療から常に学ぶことがあると考えています。

例えば、興奮して暴れだすワンちゃんは、慣れない場所で怖いから吠えたり暴れたりするんですよね。そういう時はまず「怖くないよ、怖くないよ」と優しく声をかけるのが一番だと考えています。私たちが怖がっているワンちゃんを見て「明らかに怯えているな」とわかるように、犬も人を見て「この人は自分に敵意があるな」ということは一瞬で察しているものなんですよね。

言語はわからなくとも、雰囲気は伝わっているはずです。こちらが愛情を込めて優しく触れたり話しかけたりしていると、滅多なことはして来ないですし、私も様子によっては踏み込み過ぎないようにしたり、無理はしないようにしています。

実は先程いらした新患の柴犬のワンちゃんも、来た時は物凄く吠えていて、とても触れられる感じではなかったんですが、結果的にはとても穏やかに診察ができました。そのように、動物の性格に合わせた対応を心掛けるのが当院の方針ですね。

地域の方や患者さまへのメッセージ

生まれ育った場所ですからね。やっぱり愛着があります。子どもの頃から良く知った土地ですし、ご近所に知り合いも多いです。同級生のお母さんがワンちゃんを連れて尋ねてきてくれたり(笑)。

開業するにあたって、地元で開業したいというのは大前提としてあったんですよね。こうして一年間やってこれたのは本当に地域の方たちの支えあってのことだと思っています。開業してまだ一年の病院なので、正直に言って一年分の実績しか無いんですよね。それでもこの病院を選んでくれて、「先生、お願いします」と家族を預けてくださる方たちに、真摯に全力でお応えしたいと思っています。

当院は方針として一頭一頭を時間を掛けてじっくり診察いたします。そのため、診察までに少しお時間をいただくことになるかもしれませんが飼い主さまや動物たちときちんと向き合って治療をしたいと思っています。

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