病院長/森 拓也 へのインタビュー (1/3)

近畿動物医療研修センター 附属動物病院 病院長 森 拓也

森 拓也MORI TAKUYA

来院したすべての動物たちへ、常に本気で全力の治療を心掛けています

生き物すべての体には鼓動が脈打ち、体には血液が循環している。これに異常をきたしたときその体をどんなに大きなダメージが襲うかは、想像に難くないだろう。
循環器を専門とし、深い知識と研鑽に研鑽を重ねた技術を持って日々の治療に取り組む森拓也先生は、2015年5月に東大阪市に開設された近畿動物医療研修センター 附属動物病院で病院長として、その辣腕を振るっている。
今回は自身の獣医師としての心掛けや、実際に行う医療、二次診療のあり方まで、様々なお話を聞かせていただいた。

プロフィール

森 拓也
  • 出身地:東京
  • 趣味・特技:ツーリング
所属 / 役職
  • 近畿動物医療研修センター 附属動物病院 / 病院長
所属学会
  • 日本獣医循環器学会
  • 日本胸部外科学会
経歴
  • 大学卒業後、様々な動物病院で獣医師としての研鑽を積み、愛知県名古屋市 茶屋ヶ坂動物病院で心臓外科を学ぶ。2015年に二次診療専門病院である近畿動物医療研修センター 附属動物病院にて循環器科を立ち上げ、2016年同センター病院長就任。
  • 獣医療に携わる傍ら、順天堂大学医学部心臓血管外科に所属。天野篤教授に師事し、獣医療における心臓外科の確立を目指す。

インタビュー

  • 初めに、森先生が獣医師を志したきっかけについてお話を聞かせて下さい

    現在は獣医師として動物と関わる立場に身を置いていますが、子どもの頃はそのようには全く考えていませんでした。気持ちが変化したのは高校生時代に、生物の授業を担当していた先生が獣医師だったことがきっかけです。
    私が通っていた高校は進学校でしたので、受験にはあまり関係のない生物は選択科目という位置づけでした。当然のように生物を選択する生徒は少なかったのですが、それを逆手にとって、その先生はフィールドワークと称して様々な場所に私たちを連れ出してくれました。また、と畜場からブタの内蔵を買ってきて解剖させてもらったり、生き物や命と向き合う事も教えていただきました。とても貴重な経験をさせていただいたと今でも感謝しています。そのような先生との出会いによって動物や医学への興味や関心が高まり、動物に関わる仕事をしたいと考えるようになりました。

  • 獣医師になってやりがいを感じるのはどのようなときでしょうか?

    当院は二次診療専門の動物病院ということもあり、一次診療では対応できない症状の動物が紹介されてくることがほとんどです。当院に動物を連れてくる飼い主さまの中には半ば諦めた表情で来院される方もおられますが、治療によって動物が回復していくにつれて飼い主さまの表情が明るくなっていく様子を見られたときにはとてもやりがいと充実感を感じます。
    また私は心臓外科を専門にしていますが、内科で対応できる限界まで症状が進行してしまった動物を外科手術によって治療できたときなどは、心臓外科の獣医師でよかったと思います。
    これからも飼い主さまの笑顔と動物の健康のために、日々一生懸命に治療を実施していきたいと思っています。

  • 森先生が、獣医師として一番大切にしているのはどんなことでしょうか?

    それは「常に本気で全力で治療する」ことです。
    一刻を争う症状や重篤な症状の動物たちと真摯に向き合いながら、治療をすすめていくことを常に心掛けています。基本的に二次診療の動物病院は高度診療や手術を担当する病院ですので、必要な治療が終わった動物は一次診療の動物病院に帰っていきます。
    つまり治療を担当した動物が元気になった様子をほとんど見ることができないという一面はありますが、それだけに当院に来院した動物たちとは一期一会の精神で真摯に対応したいと思っています。
    また、懸命な治療にも関わらず力及ばず亡くなってしまった子達を決して忘れないという事も心掛けています。手術の合併症が重篤化し亡くなってしまった子は当然ながら、状態が悪過ぎて手術までもたなかった子や内科治療の末に亡くなった子、全ての子達を鮮明に覚えています。これは私の師匠からの教えでもあるのですが、同様の症状の子と次出会った時はどうやったら救ってあげられるのかを常に考えています。医療というものに対してのそのような姿勢も大切にしています。