Veterinarian's interview

インタビュー

アップデートが進む新たな知識・技術と、当院で培ったノウハウを組み合わせた獣医療を実施しています アップデートが進む新たな知識・技術と、当院で培ったノウハウを組み合わせた獣医療を実施しています

アップデートが進む新たな知識・技術と、当院で培ったノウハウを組み合わせた獣医療を実施しています

パティ動物病院

見津 友啓院長

パティ動物病院

見津 友啓院長

ワンちゃん・ネコちゃんを襲う病気にはその種が持つ特有性が存在し、それは短いマズルと愛らしい表情が魅力の短頭種と呼ばれるワンちゃんネコちゃんにも例外ではない。
文京区大塚で2000年初頭から地域の動物たちの健康を支えてきたパティ動物病院では、この短頭種に対して並々ならない治療経験とノウハウを持ち、多くの動物たちの健やかな生活を支えている。
今回は学生時代よりこの病院で臨床現場に関わり、2017年に新院長に就任した見津友啓先生にご自身のこれまでの歩みや、パティ動物病院で実施する獣医療など、様々なお話を聞かせていただいた。

contents 目 次

初めに、見津先生が獣医師を志したきっかけについて、お話を聞かせてください

生まれつきと言ってもいいくらい、幼い頃から動物が好きでした。でも自分以外の家族は動物が苦手という家庭で、その環境のため余計に動物への思いを募らせていました。なんとか小学校高学年からはハムスターを飼ったり、中学生の頃からは犬を飼ったりできるようにはなったんですけどね(笑)。

そんな少年時代を過ごしていくうちに自然と動物に関わる仕事を志すようになり、その中でも命を助ける仕事をしたいと思うようになったのです。中学生の頃にはもう獣医師になるという目標を持っていましたね。

2017年2月より、パティ動物病院の新院長に就任されたと伺っています。今後の抱負をお聞かせください。

基本的にはこれまでの病院の方針を引き継いでいこうと考えています。獣医療はまさに日進月歩と言えるスピードで進化を続けており、技術や情報が常にアップデートされている世界です。そして当院は2017年の時点で開業から14年目を数える動物病院で、短頭種の犬に注力しているという特徴もあり蓄積されている独自のノウハウもあるんです。

そのノウハウに新しいものを取り入れ、組み合わせ、常により良い獣医療を提供できるように心がけています。

パティ動物病院で行っている獣医療における基本方針について教えてください

指針としているものは大きく分けて三つあります。当院は短頭種に対して積極的に診察を行っているため、遠方からも多くの飼い主さまが足を運んでくださっています。治療ということを考えると、頻繁に通院していただき逐一チェックできることは理想的なのですが、現実的にはそれが難しい飼い主さまが多いというわけです。

そこで、指針の一つは通院の負担を減らすことです。当院では今後の症状の変化について想定しておき、前もって薬をお渡ししたり、飼い主さまには「こういうことが起きたら、こうしてください」と予想できるパターンについて対処法をお伝えする、言わば「先回りの治療」を行っています。

そして二つめは治る病気をきちんと治すこと。三つめは慢性疾患とは良い状態で付き合えるようサポートすることです。これについては言葉の通りで、根治までの道筋が明確なのかを検査で正確に判断し、治るものであればしっかりと治す。治らないものであればその中でも良い状態を保つということですね。

実際に診察を行うにあたって、見津先生ならではのテクニックやお心がけがあれば聞かせてください

当院は1.5次診療を謳っているわけではありませんが、総合医療の完成を目指すことで一般的な一次診療よりも踏み込んだ診療を行っています。この「総合医療の完成」の意味ですが、短頭種で例を挙げるとわかりやすいと思います。

短頭種のワンちゃんによく見られる有名な病気がありますが、実はこの病気が引き金となり耳鼻科、消化器科、循環器科などの様々な臓器へ悪影響を及ぼしてしまいます。一つの原因から波及して色々な問題が起こってしまうんですね。そのため、一つの専門分野に特化してしまうと根本にある問題を解決できないこともあるのです。

短頭種に特有性のある病気は他にどのようなものがありますか?

短頭種は解剖学的にもかなり特徴の強い犬なので、他の犬とは扱いが異なる部分がありますね。例えばイングリッシュ・ブルドッグは病気に弱く、普通に暮らしているだけなのに皮膚や呼吸に問題が起こしてしまうとてもデリケートな犬なんです。今も病院でブルドッグを飼っているのですが、すぐに皮膚トラブルを起こしてしまいます。病院で飼っていてもそうなるようなデリケートさがあります。

短頭種によくある病気やトラブルは呼吸器、皮膚、それらに関連する形で耳、下痢も診察の機会の多い症状です。呼吸に関しては麻酔のリスクも高く、単純な去勢避妊の手術をする時にも非常に気を使うほか、麻酔からの覚醒の際にパニックを起こして窒息してしまうことがあるほどです。

獣医師としてのご経験の中で、特に印象に残っている出来事はありますか?

全力を尽くしたものの、残念ながら助けられなかった子のことはどうしても印象に残ってしまいます。反対に新しい生命の誕生の瞬間に立ち会えたことも印象として残っていますね。

短頭種は基本的に自然分娩が行えないため帝王切開の処置が一般的なのですが、私が初めて帝王切開で取り上げたのもフレンチブルドッグでした。獣医師は命の最後の瞬間に向かい合うことが多いかもしれませんが、短頭種を多く診ているために新しい命の誕生に立ち会うことができるときは嬉しいですね。

最後に、このページをご覧になる飼い主さまへメッセージをお願いします

まずは短頭種のワンちゃん、ネコちゃんと暮らす飼い主さまはもちろん、動物との生活を楽しむ皆さまに、動物の健康について興味を持っていただければと思います。

多くの方にとって。動物病院は普段足を運びにくい場所かもしれませんが、病気になっていなくても気軽にご相談ください。元気な時から普段の状態を見せていただけた方が、我々としてもいざという時にどこに異変があるのかを判断しやすいというメリットがあります。

是非、皆さんの自慢のワンちゃんの普段の姿を見せていただければと思います。