ハムスターが皮膚炎を起こしているようで、毛が抜けて肌の状態も良くありません。動物病院へ連れて行ったほうがよいでしょうか。

不調を抱えたハムスターのしぐさや症状について

ハムスターは通常、やわらかくきれいな毛並みをしています。
しかし、何らかの原因で肌に炎症がおき、皮膚炎になってしまうと、抜け毛や湿疹が出たり、肌に赤みをおびるなどの症状が見られる事もあります。

原因によってはフケのようなものが浮いてきたり、脱毛やしきりに皮膚を気にするといった症状で異変に気がつくことになると思います。
放っておくと皮膚炎の範囲が広がっていくこともありますので注意が必要です。

ハムスターが皮膚炎を起こす原因の多くは、飼育環境の衛生面が関係しています。
定期的に掃除をすれば特に問題はないのですが、掃除を怠ることでケージ内の湿度も高くなり、細菌や真菌、ニキビダニなどに感染しやすくなります。
またハムスターの巣材として使用されている材料でもアレルギーをおこしてしまい皮膚炎になるというケースもあります。特に巣材にウッドチップを使用されている場合は、そのウッドチップがアレルギーの原因となっているかもしれません。

　　　
他には、バランスの良い食事を与えていない、もしくは高齢のため栄養の吸収状態が悪くなり免疫力が低下してしまって皮膚炎が起きる事もあります。

ニキビダニや真菌、細菌感染による皮膚炎が考えられる場合、皮膚組織の一部や毛を採取して顕微鏡検査をします。更に、真菌検査の場合は寒天やDTM培地を使用して培養検査を行う事もあります。
真菌感染があった場合は抗真菌薬、ニキビダニが見つかった場合はアミトラズやイベルメクチン、ミルベマイシンなどの薬を状況に応じて投与していきます。その他の細菌感染やアレルギー性皮膚炎の場合は抗生物質を使用します。
　　　

栄養不足による皮膚炎であれば食事内容の見直しが必要です。獣医師さんの指導のもと、バランスの良い餌をあげましょう。

皮膚炎が原因で、脱毛や炎症が起きているとハムスターにとってもつらい思いをさせる事になります。
特にニキビダニ症（別名アラカス）の場合、悪化すると赤みを帯びたり、強い痒みをともないますので、異常に気がついたら早めに動物病院で診察してもらうようにしましょう。

ハムスターの飼育状況や原因をみてもらうために飼育ケースごと動物病院へ連れて行く飼い主さんもいますが、飼育ケースは広さがあるため、移動時の揺れなどで足を引っかけたり、転んでケガをしてしまう可能性があります。ハムスターを動物病院へ連れていく時は、事故を防ぐために小さめのプラケースか小動物用のキャリーケースなどに入れてあげましょう。
また、症状の原因を調べるために、普段の飼育状況（大まかな見取り図）や巣材、トイレの素材、掃除周期といった情報を事前にメモをしておくか、別途飼育ケースも持っていくことをおすすめします。
※飼育ケースを持っていく場合は、動物病院に事前に連絡して飼育ケースを持っていったほうが良いか確認してみましょう。

動物病院の多くは犬猫の診察をメインとしている病院もあります。
「ハムスターの診察が可能か？」「エキゾチックアニマル（犬猫以外の動物）の診察が可能か？」
という点を含め、動物病院に一度、事前にお問い合わせをするのをおすすめします。