副院長/水谷 達二 へのインタビュー (2/4)

副院長/水谷 達二 へのインタビュー (2/4)

水谷 達二MIZUTANI TATSUJI

動物医療のジェネラリストとして動物と飼い主さまが幸せに暮らせるための医療と、動物を通じた福祉に取り組んでいます

神奈川県藤沢市の江ノ島に程近い鵠沼海岸の水谷動物病院は、1969年の開業から半世紀近くホームドクターとしてのスタンスを変えずに地域の動物医療に尽力している。獣医師の使命は動物の診療だけではなく、動物を通じて行う人間への福祉にもあると考える水谷動物病院とはどのような医院なのか。同院のポリシーや活動について副院長の水谷達二先生に話を伺った。

インタビュー

  • アニマルセラピー、ふれあい活動について

    JAHAとは、動物病院を中心に「人と動物との絆(ヒューマン・アニマル・ボンド=HAB)」に基づき、人と動物双方の教育、福祉、医療に貢献し、人と動物と環境のクオリティー・オブ・ライフの向上を目指して活動する組織なのですが、その活動の中には動物病院の社会貢献事業を行うコンパニオン・アニマル・パートナーシップ・プログラム(CAPP)活動というものもあります。CAPPとは「病院や一般家庭で飼養されている主に犬や猫とともに高齢者施設等を訪問する活動」です。アニマルセラピーと言い換えれば、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
    先ほどお話しした通り、JAHAの設立には当院の院長が関わっています。
    1970年代、院長らは志を同じくする仲間の獣医師数名で海を渡り、アメリカ動物病院協会(AAHA)の大会を始めとするセミナーに参加されました。その小動物臨床のレベルの高さや完成された組織に衝撃を受けたそうです。そして、日本国内でも同じような活動を行っていく必要性を感じ、AAHAにならって立ち上げたのがJAHAという団体です。
    このJAHAの基本理念は「動物病院を名乗る以上、利用者の立場に立って、動物を大切にする人びとのニーズに応えていくことを通じて、人と動物と環境の調和と広義の福祉のために、クライアント教育、社会教育、社会活動をやっていこう」というもので、動物の診療だけではなく、人の福祉に関しても我々獣医師が積極的に取り組むべきであるという考えです。その具体的な事業の1つが1986年に始まったCAPPでした。もちろん、獣医療をしっかり行い病気を治すことが一番という考えも正しいことだと思いますが、私の個人的な思いとしては、獣医師は国から資格を許された立場として、動物だけではなく人の福祉に対しても前向きに働きかけるべきであると考えています。

  • 二次診療施設との連携強化のため、日ごろから先生が取り組まれていることはなんでしょうか?

    取り組みとは少し意味合いが異なりますが、JAHAや獣医師会といった団体に所属していることで、獣医師同士の関係を保っていくことは大切ですよね。大学病院や高度医療施設など二次診療施設で活躍されている先生方と、勉強会なりその他の機会で普段からコミュニケーションを取ることは必要です。高度医療の力を借りて確定診断および治療を考えたときに、施設を知っているだけでは充分ではありません。施設そのものではなく、信頼できる先生がいるからこそ、安心して依頼を行うことが出来るのです。
    よく知っている先生だからこそ、ざっくばらんに相談もでき、何かが起こったとしてもお任せることができるんですね。二次診療の結果は当院にフィードバックされますので、それをもって我々は継続して治療を進めていきます。
    JAHAや獣医師会には大学の先生を含め多くの獣医師が所属しており、勉強会やセミナーなども定期的に行われていますので、先生方との横の繋がりも増えます。その点ではやはりこういった会に参加して得られる横のつながりは私にとって宝だと思っています。
    ちなみに当院では、ある程度の診断をつけた上で確定診断をしていただきたい際など、当院で可能な限りの診断を行ってから依頼をしています。そうすることで、二次診療施設と当院で診断が一致するか確認でき、意見交換しながら、難しい症例でも動物や家族にとってベストな治療に取り組むことができるというわけです。