副院長/水谷 達二 へのインタビュー (3/4)

副院長/水谷 達二 へのインタビュー (3/4)

水谷 達二MIZUTANI TATSUJI

動物医療のジェネラリストとして動物と飼い主さまが幸せに暮らせるための医療と、動物を通じた福祉に取り組んでいます

神奈川県藤沢市の江ノ島に程近い鵠沼海岸の水谷動物病院は、1969年の開業から半世紀近くホームドクターとしてのスタンスを変えずに地域の動物医療に尽力している。獣医師の使命は動物の診療だけではなく、動物を通じて行う人間への福祉にもあると考える水谷動物病院とはどのような医院なのか。同院のポリシーや活動について副院長の水谷達二先生に話を伺った。

インタビュー

  • 長きに渡って獣医療に携わる中で、飼い主さまの意識の変化を感じるのはどんなときでしょうか?

    獣医師になって間もないころと比較すると、今は屋内でペットを飼う方が増え、当院で治療する怪我も、交通事故が原因というものはすっかり数を減らしました。今では治療の大半が怪我ではなく病気です。その病気について、昔と比べて明らかに増えたのは腫瘍で、これは平均寿命が上がったことの表れと言えます。反対に、明らかに減った病気はフィラリアやウイルスによる感染症で、これは飼い主さまの予防に対する意識が高くなったことの表れですね。予防が一般的になったということです。予防できる病気については罹りにくくなるようにしてあげたいと考える飼い主さまが増えたことは、国内の飼い主さまの意識で大きく変わった点ではないでしょうか。

  • 病院の診療方針と地域での役割についてはどのようにお考えでしょうか?

    昔と違って今はさまざまなペットが飼育されるようになりました。犬や猫はもちろんのこと、ウサギ、ハムスター、フェレット、カメ、鳥など、私たちは多くの動物を診断する機会があります。その命に対して、誠心誠意を持って診療を行っています。
    大切にしているペットが病気や怪我で困っているのを見過ごすことはできません。犬や猫以外の小動物についても受け入れ、知識を総動員して診療しています。ただ動物ごとに身体の作りが異なり、中には特有性のある病気も存在しますので、総合診療であるホームドクターでは限界があることも確かです。そのような時にも、その動物専門のドクターに二次診療をお願いすることがあります。

  • ホームドクターというポジションにおいて、水谷先生が大切にしているのはどういったことでしょうか?

    ホームドクターという立場で診察を行う中では、あらゆる病気や病気予防のためのワクチン接種などにも対応する必要があります。総合診療として何でも出来なければいけないのです。そのため、ホームドクターは様々な知識を備えたジェネラリストでなければなりません。
    ドクターには自分の得意分野があり、それを標榜することで飼い主さまにアピールするという考え方もあるかもしれませんが、私はスペシャルなジェネラリストでありたいと思っています。それに加え、動物と人とが一緒に生活している環境を整える面では、一日でも長く一緒に、共に幸せに暮らせるよう手助けをする存在にならなければなりません。
    我々の仕事は動物相手の仕事ではありますが、人と人との関係も大切にしなければならない仕事です。動物たちの身体を診るだけでなく、飼い主さまの気持ちも和げることができて初めて一人前です。人に対しても動物に対しても幸せを提供するように努めなければいけないと思っています。