院長/豊田 大介 へのインタビュー (1/3)

豊田 大介TOYODA DAISUKE
口腔内の問題は、身体の様々な異常の入り口になりかねない非常に重要な問題です
1991年3月より京都府京都市左京区に開院して以来、歯科分野の疾患を抱えた多くの動物たちの悩みを解決してきたとよだ動物病院。この病院を率いる豊田大介院長は、国内の獣医歯科治療の黎明期からその重要性を啓蒙し、全身の様々な疾患へと繋がりかねない口腔内疾患の治療を行ってきた。
今回は豊田先生のこれまでのご経験、歯科治療の今と昔、自身が考える獣医療のあり方についてお話を伺った。
プロフィール
- 豊田 大介
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- 1962年6月14日生まれ
- 出身地:京都府京都市
- 趣味:アルトサックス
- 所属 / 役職
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- とよだ動物病院 / 院長
- 所属学会
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- 日本小動物歯科研究会
- 日本獣医がん学会
- 獣医循環器学会
- 日本動物病院福祉協会(JAHA)
- 日本動物病院会(NAHA)
- 京都市獣医師会
- 日本臨床獣医学フォーラム
- 経歴
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- 山口大学大学院獣医学専攻修了
- 4年間の勤務医を経て、1991年3月 京都市左京区にて『とよだ動物病院』開業
インタビュー
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豊田先生は特に歯科治療に注力されていると伺っています。数多ある分野から歯科治療に注力するようになったのはどのような経緯がありましたか?
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一昔前までは大学での歯科の講義がほとんどなく、獣医師になったとしても歯科に関しては臨床の現場に出て自分で学ぶしかありませんでした。そういった状況の中、勤務医時代に勤めていた病院に飼い主さまとして来院された人間の歯科医の先生と知り合ったことが、私にとっての大きな転機となったのです。
その先生を通じて勉強会や講義などに参加させていただき、その内容に感銘を受けて、獣医療の分野においても、歯科の治療を実践していかなければいけないと感じたことが歯科治療に注力するようになったきっかけです。
口腔内の問題は、ただ単に歯のみを対象としたものではなく、身体の様々な異常の入り口になりかねない非常に重要な問題です。決して数は多くありませんが、最近では授業の中で歯科の分野も扱っている大学があると知り、歯科に対しての関心が高まってきたことを嬉しく感じています。
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実際に臨床の現場で目にする疾患は、どういった症状が多いのでしょうか?
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歯科の分野においては、特に乳歯の晩期残存や、歯周病、歯肉口内炎などを診察する機会が多いように感じています。
程度の違いはあれど、3歳以上の犬の約8割が歯周病もしくは歯肉炎を持っていると言われていて、最近では1歳でも口腔内に何らかの問題が発生している場合があると言われています。
近年で急に歯の疾患が増えたのではなく、飼い主の皆さまの歯科に対する意識が向上したこともあり、今まで見過ごされていたものが認識されるようになった結果であると考えられています。また、小型犬でも大型犬でも歯の本数は一緒ですので、歯が密集している小型犬の方が歯のトラブルは多いかと思います。
歯科というとワンちゃんが主な対象だと思っている方もおられるかもしれませんが、猫ちゃんに多くみられる症状もあり、特にFORLと呼ばれる病気は悪化することでご飯が食べられなくなってしまうこともある恐ろしい病気です。

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