犬のブルセラ症について

犬のブルセラ症について

2022/9/6
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部
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不調を抱えた犬の症状・原因について

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犬の不妊症

犬のブルセラ症とは、犬ブルセラ菌による感染症で、一言で言うと犬の不妊症です。

   

【主な症状】
症状はオスの場合、精巣や前立腺に炎症が起こり、これが原因で精子に異常をきたし、精子数の減少などを引き起こすことで、不妊につながります。メスの場合は、流産や死産を繰り返すようになります。その他、全身に犬ブルセラ菌が広がることで、リンパ節が腫れたり、ぶどう膜炎という眼球の炎症や椎間板脊椎炎という背骨の炎症が引き起こされることがありますが、不妊以外には症状が見られないことも多いです。

   

【主な原因】
犬ブルセラ菌は、犬への感染力は強く、既に感染している犬との接触がほとんどです。交尾のほか、感染している犬の尿や流産後の体液をなめたり、口や鼻が接触する場合でも感染する可能性があります。

   

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ブルセラ症は人間にも感染する病気

避妊や去勢は効果的な予防や治療に有効です。感染した犬には抗菌剤による治療を行いますが、犬ブルセラ菌を完全に取り除くことは、非常に難しいとされています。また、検査で陰性となった後も定期的な検査が必要です。

   

この病気は人にも感染する可能性がありますので、飼い主も注意しなければいけません。ただ、人へは感染しにくく、感染しても発症しない場合がほとんどです。もし発症した場合には、発熱や筋肉痛のような風邪と似た症状を示し、日本国内では十数例が報告されています。
検査は、血液検査で犬ブルセラ菌に対する抗体を調べます。

犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • オスは、精巣炎(精巣の腫れや縮小)
  • 精液の異常(量が減る、血が混じるなど)
  • メスは不妊、流産、死産(繰り返し起こす)

上記のほか、全身に菌が広がることによる、リンパ節の腫れ、ぶどう膜炎、椎間板脊椎炎、心内膜炎など。

かかりやすい犬の種類

  • オス・メスの両方にかかる可能性があります。多くの犬を飼育している環境では広がりやすい病気ですが、特定の犬種に限定されて発症する病気ではありません。
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部

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