
狂犬病について
不調を抱えた犬の症状・原因について

発症すれば致死率は100%
おそらく最も認知されている犬の病気で、人間を含む他の全ての哺乳類にも感染する感染症です。
狂犬病ウィルスをもっている動物にひっかかれたり咬み付かれたりすることで感染するのがほとんどです。感染している動物の唾液の中に狂犬病の原因となるウィルスが含まれており、唾液が感染源となります。また、強いウィルスとなると、目や口、気道からの粘膜感染という感染ルートもあります。
潜伏期間が長いことが特徴で、咬まれた場所にもよりますが、人では感染してから発症するまで1~3ヶ月と言われています。犬では、潜伏期間は、2週間から2ヶ月と言われています。狂犬病は、その症状から、大きく、麻痺型と狂騒型に分けられますが、犬の多くは狂騒型だとされています。狂犬病には有効な治療法がなく、発症すると100%死亡する恐ろしい病気です。犬の場合、発症から10日ほどで死に至ると言われていますが、数日で死亡してしまうこともあります。
【主な症状】
発症してから1〜3日は、前駆期と言われ、「発熱」「元気がなくなる」「性格の変化」「行動の変化」が見られます。その後、「徘徊や不眠」「喉の麻痺のために鳴き声がおかしくなる」「水を欲しがるが上手に飲めない」「目の前の物に咬みつく」「フラフラ歩く」「落ち着きがなくなる」などの症状が見られます。この時期を狂騒期と呼び、1〜7日間続きます。そして、最後は麻痺期と呼ばれ、「動かなくなる」「よだれ」「意識低下」「呼吸麻痺」といった症状が見られ、死亡します。
狂騒期には、目の前の物に何でも咬みつこうとするため、注意が必要で、正常な犬であれば、威嚇する行動が見られますが、狂犬病の犬はいきなり咬みつきます。
犬のためにあなたができること

犬への予防接種が法律で定められています。
現在、日本では、犬の狂犬病の発生はありません。しかし、長く狂犬病の発生のない国と言われていた台湾で、野生動物で狂犬病の発生が報告されました。日本は昭和25年に制定された狂犬病予防法によって、飼い犬の登録や飼い犬への狂犬病予防注射の義務化などによって、犬での狂犬病の発生を無くすことができました。狂犬病は人の場合でも、発症すると有効な治療法はなく、100%死亡してしまいます。日本で再び狂犬病が流行しないように犬への予防注射は、飼い主さんの義務となっています。犬も家族の一員であると同時に、社会の一員です。
犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 発熱
- 元気がなくなる
- 性格の変化
- 行動の変化
- 徘徊や不眠
- 喉の麻痺のために鳴き声がおかしくなる
- 水を欲しがるが上手に飲めない
- 目の前の物に咬みつく
- フラフラ歩く
- 落ち着きがなくなる
- 最終段階では意識喪失、昏睡状態で死亡する
かかりやすい犬の種類
- かかりやすい犬種はなく、犬だけではなく、人や他の哺乳類にも感染します。

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