
犬の呼吸不全について
不調を抱えた犬の症状・原因について

人間の呼吸不全と同様の症状
呼吸不全は、何らかの原因で呼吸が正常に行なえなくなる現象で、酸素が体内にまわらないため体に様々な異常が発症します。最悪の場合、死亡してしまう事もある大変危険な状態です。
【主な症状】
基本的に人間の呼吸不全と同様に、動脈血濃度が低下し、全身に酸素が行き届かないため、息切れや酸欠による意識喪失(昏睡状態に陥る)などを引き起こします。
他に挙げられる顕著な症状としては、呼吸困難によってチアノーゼ(酸欠により口内が紫色に変色する)状態になったり、意識がもうろうとしたりします。酸素がうまく体内にまわらないため、体を動かすのもつらく、運動失調も起こります。
【主な原因】
原因をひとつに絞る事は出来ませんので、必ず病院を受診し、対処していく必要があります。主に肺炎や喘息持ちから派生するケースや、外傷から呼吸不全を起こすケースもあります。
呼吸不全を引き起こすと考えられる疾病は以下のようなものがあります。
- 気管虚脱
- 気管支狭窄
- 肺炎
- 肺気腫
- 気管支炎
- フィラリア感染
- 僧帽弁閉鎖不全
- 鼻炎
- 肺水腫
などが考えられます。
<関連記事>
犬のためにあなたができること

突発性の呼吸不全は急いで病院へ!
検査は、聴診による肺の状態の確認や、心電図の記録、レントゲン検査がメインとなります。
治療方法ですが、突発性の呼吸不全の場合は、酸素吸入器を使って治療します。一刻をあらそいますので急いで病院を受診しましょう。慢性的な呼吸不全や喘息、肺の炎症などがある場合は、投薬治療をしていきます。
元々喘息持ちなどである場合は、将来的に呼吸不全を引き起こす可能性も十分にあるので、定期的に病院を受診し、健康状態の保持に努めるようにしましょう。
呼吸不全を起こしている原因の病気がある場合は、その病気を治療してから呼吸不全の治療を開始する流れになります。酸素吸入を行って状態をみながら対処して行く形をとります。
犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 呼吸困難(息切れ)
- 運動失調
- 乾いた咳
- 吐血
- 嘔吐
- 呼吸困難によるチアノーゼ
- 意識障害
- 意識喪失または昏睡状態に陥る
- 腹水がたまっているように見える
- 尿が濃く赤く変色している
かかりやすい犬の種類
- シーズー
- パグ
上記の犬以外に、高齢の老犬も気道の筋力衰退により呼吸不全を起こす場合があります。先天的に体力や免疫力が低い犬種も注意しておいた方が良いです。
発症しやすい症状なので、異変を感じたらすぐに病院へ連れて行きましょう。

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