犬のカルシウム代謝の異常について

犬のカルシウム代謝の異常について

2022/9/14
獣医師
【監修医】大村 知之
獣医師

不調を抱えた犬の症状・原因について

カルシウム代謝の異常が及ぼす犬への影響

犬の体調不良や病気の原因のひとつに、体のカルシウム濃度をコントロールするホルモンの分泌量が異常に増えてしまう「カルシウム代謝の異常」が挙げられます。正式名称は「上皮小体機能亢進症」と言います。上皮小体とは左右の甲状腺の近くにある器官で、体のカルシウム濃度を調節するホルモンを分泌します。
この病気は、原発性・腎性に分けられます。

原発性

上皮小体自身の過形成(過剰な細胞分裂)によって引き起こされます。
犬の上皮小体機能亢進症の多くが原発性と言われています。

腎性

腎機能の低下が原因で、症状が引き起こされます。

症状は高カルシウム血症、低カルシウム血症によって分類され、高カルシウム血症には「多飲多尿」「筋肉の痙攣や身震い」、低カルシウム血症には「骨がもろくなり骨折しやすくなる」などの症状があります。
また、心身的なストレスも原因の一つです。ストレスが溜まると体の免疫力が下がり、ホルモンバランスなどに異常が出てきます。それが結果的に体調不良につながり、病気を引き寄せやすい状態を作り上げてしまいます。
これらをふまえると、日ごろから注意して犬の状態をよく見ておくことで異常に素早く気づくことができ、病気の早期発見・治療につながると言えます。

   

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長期的な治療の可能性も考慮する

上記のような症状がみられたら、すぐに動物病院に連れて行き、医師の指示に従って治療を受けましょう。
検査については病院で触診により痛みの有無を確認し、X線検査、超音波検査、PTH濃度測定などの検査を行います。

犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • おしっこの量(トイレの回数)が増える
  • 体を動かさなくなる
  • ぐったりする
  • 体重が増える
  • あまり食欲がなくなる
  • 骨折しやすくなる
  • 筋肉の痙攣や身震いをよくするようになった
  • 神経質になりストレスがたまりやすくなった

かかりやすい犬の種類

  • キースホンド
  • イングリッシュ・セッター
  • シーズー
  • ゴールデンレトリバー
獣医師
【監修医】大村 知之

おおむら動物病院/東京都 武蔵野市 吉祥寺本町2-30-9

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