犬の破傷風について
不調を抱えた犬の症状・原因について
動物によって感受性は違います。
破傷風は、破傷風菌の感染による感染症で、犬を含む様々な動物と人にも感染します。破傷風菌は、芽胞という形で土壌の中に広く存在しています。
【主な原因】
多くの場合、傷口、特に釘が刺さるなどした深い傷から感染します。土壌中の芽胞が傷口から入り込み、そこで破傷風菌が増殖し、毒素を産生するようになります。この毒素がケイレンなどの神経症状を引き起こします。多くの動物に感染しますが、動物種によって感受性が異なり、馬が最も感受性が高く、牛、人、緬羊、犬の順になります。
【主な症状】
犬は感受性の高い動物ではありませんが、感染した場合には、1週間程度の潜伏期の後に症状が現れます。症状は、発熱、口が開きにくくなる、よだれを垂れ流す、食べ物が飲み込みにくくなる、瞳孔がずっと縮小したままになる、まぶたがひきつる、瞬膜の突出、顔がひきつる、耳が立ちっぱなしになるなどです。さらに症状が進むと、全身性のケイレンが起こり、発症から5日程度で死亡してしまいます。呼吸筋のケイレンによって、呼吸困難が起こったり、音や光に過剰反応を示すようになることもあります。治療としては、初期には抗毒素血清の投与や抗菌剤の投与が行われますが、進行すると治療は難しくなります。
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犬のためにあなたができること
ケガに注意しましょう。
土壌病とも言われるように、原因となる破傷風菌は、土壌中に広く存在しています。野外でケガをした場合に感染の危険があります。犬が野外でケガをした場合には、きれいな水で十分に洗浄して動物病院を受診してください。人や馬ではトキソイドワクチンがありますが、犬用のワクチンはありません。
犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!
- 体の硬直
- 頭部の痙攣(体の各部位:口元やまぶたなど)
- 音や光または振動に対する知覚過敏
- 呼吸困難
このような状態が主な破傷風の症状に挙げられます。
かかりやすい犬の種類
- 特に感染しやすい犬種はありませんが、野外で深い傷を負っただ場合には注意が必要です。
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