犬の軟口蓋過長症について

犬の軟口蓋過長症について

2022/9/13
獣医師
【監修医】町田 健吾
獣医師

いびきをかくといった症状

Happy Pit Bull dog drinking tap water in the park after playing. Selective focus.

ブルドッグ、パグ、ボストンテリア、チワワといった「短頭種」は鼻から続く気道が狭く呼吸の異常が発生しやすい。この病態を総称して「短頭種気道症候群」といい、外鼻孔狭窄、喉頭小嚢外反、声門裂狭窄、軟口蓋過症などが含まれます。実際には、これらの状態が単一もしくは複合して発症します。

その中でも最も多く認められるのが軟口蓋過長症です。

軟口蓋は呼吸と嚥下に応じて鼻腔と口腔を分ける弁の役割をしています。

この軟口蓋が長く分厚くなっていると空気の通り道が狭くなるため、普段から呼吸の際にガーガーと喘鳴音が聞こえる、いびきをかくといった症状が現れるようになります。

ひどい場合には夏場に散歩中に呼吸困難になり失神してしまう事もあります。

診断は上記の様な臨床症状から推測可能であるが、基本的にはレントゲン検査や全身麻酔下での視診にて評価します。

治療について

治療としては、症状が軽度な場合は肥満な犬では減量、体温が上昇し過ぎないように周りの環境を整える、起こってしまった炎症を消炎剤で抑える、などの内科的な対応でコントロールすることが可能です。

しかし、通常これらの方法には限界があります。軟口蓋過長症は解剖学的な問題により発生する病態であるため、呼吸の度に常に負担がかかると徐々に長く太くなる可能性があります。そのため、早期に外科手術により余剰な軟口蓋を切除することが推奨されます。実際に、若いうちに外科手術をした方が術後の症状の改善率が高いため2歳齢未満で手術することが推奨されています。

獣医師
【監修医】町田 健吾

荻窪ツイン動物病院/東京都 杉並区 上荻1-23-18
◇所属学会等:獣医麻酔外科学会、日本獣医がん学会、小動物歯科研究会

おすすめ情報

犬の新着記事

犬の新着記事一覧へ

Ranking