結局、飼い主は何をすればいいの?2022年6月1日より義務化 犬・猫へのマイクロチップ装着について
目 次
改正動物愛護管理法の施行とマイクロチップ導入の経緯
2022年6月1日より改正動物愛護管理法が施行となり、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務付けられます。
散歩中に驚いて逃げたり、災害時にはぐれてしまったりなど、どんなに気を付けていても、ペットと離ればなれになってしまう可能性はゼロではありません。
マイクロチップを装着することで、ペットが飼い主とはぐれた際に、保護されたペットのマイクロチップを読み取り、データベースに登録されている飼い主の情報を照会して、飼い主の元にペットを戻すことが可能になります。
捜索が困難な状況に陥るケース

ペットの被災事例
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、多くの人命が失われましたが、それと共に多数のペットの命も犠牲になりました。
報告があっただけで、少なくとも3,133頭※のペットが命を落としたことが判っていますが、報告されていないだけで、実際にはさらに多くのペットが死亡・行方不明になったと推測されています。
環境省自然環境局 東日本大震災における被災動物対応記録集 PDF24ページより参照
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2508c/full.pdf(外部サイトへリンク)
マイクロチップについて正しい情報を知ろう!

マイクロチップってなに?
直径2mm、長さ8~12mmの円筒形で、アンテナ、IC部が内蔵されています。
記録された15桁の固有の番号を専用リーダーで読み取り、指定登録機関に登録された飼い主情報と照合することで飼い主を特定できます。
世界的に広く普及しており、一般の飼い主に対して、マイクロチップ装着を完全に義務付けている国も多くあります。
マイクロチップの安全性は?

日本獣医師会の発表によると、動物用のマイクロチップは、動物の体内に埋め込んでも副作用などが起きない素材で密閉しています。そのため今日までに、マイクロチップの埋め込みによる動物への障害や副作用、ショック症状等についての報告は寄せられておらず、ワクチン摂取によるアナフィラキシーショック等と比較しても、安全性は高いとされています。
また磁界によってマイクロチップから発生する力はごくわずかであり、動物の体内における影響は確認されていません。MRI使用後のマイクロチップ番号の読み取りにも、支障はないとされています。(しかし、MRI検査時に場所によっては取り除く必要もあります。)
≫詳しくはこちら
外部サイト(公益社団法人日本獣医師会ホームページ)へリンクします。
マイクロチップ装着後、登録が必要

すでにマイクロチップが装着されている犬・猫を飼い始めた場合や、飼い犬・飼い猫にマイクロチップを装着した場合は、30日以内に飼い主情報を登録しなければなりません。
マイクロチップのメーカーや埋め込みした病院を問わず、指定登録機関である公益社団法人日本獣医師会にオンライン又は郵送にて申請・登録を進めてください。
オンラインでの申請・登録はこちら
外部サイト(環境大臣指定登録機関 犬と猫のマイクロチップ情報登録サイト)へリンクします。
登録する内容
下記を事前にご準備いただくと、登録がスムーズです。
- マイクロチップの識別番号
- 所有者情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど)
- 動物情報(名、品種、毛色、生年月日、性別、狂犬病予防法登録番号(犬)など)
マイクロチップの装着・登録にかかる費用は?

装着費用は動物病院によって異なりますが、約3,000~10,000円程度が一般的です。
また装着後の飼い主情報登録にも、300~1,000円の費用がかかります。
登録方法によって費用が異なり、WEBでの登録は300円、用紙での登録には1,000円かかりますので、WEBからの登録がお得です!
≫詳しくはこちら
外部サイト(東京都福祉保健局 犬と猫のマイクロチップ情報登録に関するQ&A「11 登録手数料の額はいくらですか。」)へリンクします。
マイクロチップ装着~登録の流れ

マイクロチップは埋め込んだだけではその効力を発揮しません。
装着後、飼い主情報の登録が必要です。
装着・登録の義務について
一般の飼い主と、ブリーダー・ペットショップなどの犬・猫を販売する事業者とでは、義務の種類が異なります。

マイクロチップ導入のメリット・デメリット
メリット・デメリット両方の側面から、マイクロチップについての正しい知識を知っていただき、装着する・しないの判断をすることをおすすめします。

- 迷子の犬猫を減らすことができる
- 首輪や迷子札に比べ、外れて落ちたりする可能性が低く、半永久的に身元証明をすることができる
- 紛失する可能性が低いため、破損の心配がない
- ペットの飼育放棄・遺棄を減らせる

- チップの埋め込み時に、少なからず痛みを伴う
- 装着と登録に費用がかかる
- 引っ越しなどで登録した情報に変更が生じた場合、チップの情報更新も必要となる
- MRI撮影の画像に悪影響を及ぼすことがある
- 異物と認識し、皮膚から出てきてしまうことがある
制度導入前後の登録情報の管理方法の違い
2022年6月1日以降は、環境省のデータベースで飼い主情報が一括管理されます!

※1 AIPOとは、Animal ID Promotion Organization(動物ID普及推進会議)の略称で、マイクロチップによる動物個体識別の普及推進・情報管理を行っている組織です。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/aipo.html(外部サイトへリンク)
※2 Fam(ファム)とはFamily association of management(ファミリーID管理機構)の略で、マイクロチップによる動物個体識別の普及推進・情報管理を行っている組織です。
https://www.fam-mc.com/fam.php(外部サイトへリンク)

具体的に飼い主は何をすればいいの?
すでに犬・猫を飼われている方
マイクロチップ装着済
2022年5月31日までに、民間登録団体※から環境省のデータベースへ、飼い主情報の移行登録受付が必要です。
例:AIPO、Fam、JKC、日立システムアンドサービス㈱など
移行登録受付はこちら
※外部サイト(公益社団法人日本獣医師会 環境省データベースへの移行登録受付サイト)へリンクします。
マイクロチップ未装着
装着自体は努力義務ですが、装着した場合は、必ず飼い主情報の登録が必要です。
飼い主情報の登録はこちら
※外部サイト(公益社団法人日本獣医師会 犬と猫のマイクロチップ情報登録 令和4年6月1日リリースに向けた準備サイト)へリンクします。
2022年6月1日以降に犬・猫を飼い始める方
マイクロチップ装着済
2022年6月以降にペットショップ・ブリーダーから購入した犬・猫には、必ずマイクロチップが装着されていますが、購入時の所有者情報はペットショップのままですので、指定のサイトで所有者情報の「変更登録」を行い、飼い主情報を更新してください。
飼い主情報の登録はこちら
※外部サイト(公益社団法人日本獣医師会 犬と猫のマイクロチップ情報登録 令和4年6月1日リリースに向けた準備サイト)へリンクします。
マイクロチップ未装着
保護施設から譲り受けるなどの方法で犬・猫を飼い始める方は、譲渡人へマイクロチップ装着の有無を確認し、装着済の場合は、すみやかに民間登録団体※から環境省のデータベースへ、飼い主情報の移行登録受付が必要です。
※例:AIPO、Fam、JKC、日立システムアンドサービス㈱など
移行登録受付はこちら
※外部サイト(公益社団法人日本獣医師会 環境省データベースへの移行登録受付サイト)へリンクします。
装着自体は努力義務ですが、装着した場合は、必ず飼い主情報の登録が必要です。
飼い主情報の登録はこちら
※外部サイト(公益社団法人日本獣医師会 犬と猫のマイクロチップ情報登録 令和4年6月1日リリースに向けた準備サイト)へリンクします。
最後に

改正動物愛護管理法の施行にともない、マイクロチップの装着が身近になってきました。この機会に、愛犬・愛猫と飼い主を繋ぐ手段の一つとして、マイクロチップに関する理解を深めていただき、より良い判断をするお手伝いができれば幸いです。
ぜひ、愛しいうちの子と素敵なペットライフをお過ごしください。

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