『マッテ』の教え方その2

『マッテ』の教え方その2

2022/9/7
ドッグライフカウンセラー
三浦 健太
ドッグライフカウンセラー

愛犬の首輪を持ったままの『マッテ』をとおして、『マッテ』の言葉は我慢させられる嫌な言葉ではなく、必ず褒めてもらえる素敵な言葉と印象づけることができました。しかし、言葉の響きを教えただけで、まだ『マッテ』のすべてを覚えたわけではありません。やる気の出るベースを教えただけなのです。これから順にいろいろな場面を想定して細かく教えていきます。

首輪を持たない『マッテ』に挑戦

Woman train on her dog at home

まずは、今までと同じに『マッテ』と言った後、10秒程度視線をそらすのですが、この時に首輪を持っていた手を離してみます。長い時間待たせる必要はありません。10秒程度出来たら戻ってすぐに褒めてください。

首輪を持たない『マッテ』が出来たら次は飼い主さんの縦の動きを加えてみます。飼い主さんは愛犬の目の前で手を広げ『マッテ』と言ったら、スッと立ち上がり、すぐに座ります。長い秒数は不要です。すぐでいいのです。大事なことは飼い主さんが上下に動いてもマッテいれば喜んでもらえると教えることなのです。

次のステップは、縦の動きに横の動きも加えます。飼い主さんは愛犬に『マッテ』と言ったら、すばやく立ち上がり、一歩だけ愛犬から離れます。その後、すぐに愛犬の横に戻り、愛犬が動かずにいたら、ずに褒めます。これも同様に長い秒数は必要ありません。素早く行動し、愛犬が動き出すより早く戻って褒めることが大切なのです。次は少し難しくなります。

距離も、視線も離れた『マッテ』に挑戦

Cute dog. Close up of a cute spitz in a pet bed

今度は、愛犬に 『マッテ』と言ったあと、立ち上がり、一歩離れたところで、クルッと反転し、愛犬に背中を見せます。飼い主さんの視線が自分から離れることで、愛犬は不安になります。短い時間ですが、その不安の中でも飼い主さんに喜んでもらうためにはどうすればいいかを愛犬は一生懸命考えます。背中を見せた飼い主さんは、愛犬が迷っているうちでもいいので素早く戻り、よく褒めます

ここまでくると愛犬は『マッテ』の言葉の意味がだいぶわかってきました。『マッテ』と言われたということは、動かないでいることなのだ。と理解しはじめています。そして、その行為が最愛の飼い主さんの喜びに繋がるということもわかりかけています。

その後は、『マッテ』と言ったあと、愛犬の周りを一周してみたり、愛犬のリードを何かにつないでその場から10メートルぐらい離れてみたり、姿を一瞬隠してみたり、いろいろな場面を想定して、教えていきます。

  

この段階的練習を実施していく上で大事なことがひとつあります。犬は、昨日できたことでも今日は出来ないこともあります。自宅でできても公園では出来ないこともあります。音や臭いなど周囲の環境が変われば、いつも同じではないのです。

飼い主さんは、いつも出来たことが出来なかったとしても決して愛犬を叱ってはいけません。せっかく教えた『マッテ』という素敵な言葉の意味が崩れてしまいます。もし、今まで出来ていたことができない的は、今までお伝えしてきたステップを戻していき、絶対にできるとこまで戻して、よく褒めることです。この繰り返しが、どんな場所でも、いつでも、飼い主さんの『マッテ』の一声で、喜んでその場で動かずに待てる愛犬に育つのです。

ドッグライフカウンセラー
三浦 健太

特定非営利活動法人ワンワンパーティクラブ 代表 ◇主な活動:「全国一斉!クリーン作戦」や「Dog’s Walk for Keep Clean 全国公園清掃活動(活動支援)」などの公益活動。「WANWANパーティ」「ドッグランフェスタ」「愛犬との暮らし方教室」他各種イベント開催による愛犬家へのマナー啓発活動。

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