
心がつながる触り方
話しかける以上に絆が深まる

犬は甘えん坊で、ほとんどの犬は飼い主さんに触られ、撫でてもらうのが大好きです。同時に飼い主さんの方も、犬と暮らし始める動機のひとつに「犬に触りたい」「撫でてあげたい」という気持ちがあります。
近年は、小型犬の急増もあり、室内で暮らす犬が増え、多くの犬が飼い主さんのすぐ近くで生活しており、中には一日の多くの時間を飼い主さんの膝の上で過ごしている犬もいます。
愛犬とのスキンシップはとても大事で、話しかける以上に絆が深まりますし、飼い主さんだけでなく人間に対する警戒心や恐怖心も軽減させます。愛犬の毛並みにそって静かに撫でることで、犬の心は落ち着き、安心感を持ち、ストレスの解消ともなり、幸福感を与えることもできます。
また撫でている飼い主さん側にとっても、単に手触りが気持ちがいいと感じるだけでなく、高血圧の予防にもなると言われています。
自宅に帰り、愛犬との楽しい団欒。中には夜の数時間を愛犬とともに過ごし、膝の上の愛犬をずーっと撫で続けながら過ごしている人もいます。愛犬に触れ、撫でることは悪いことではありません。
こんな撫で方はダメ
ただ、この「撫でる」という行為を通じて、より心がつながり、絆を育てる方法もあるのです。
多くの犬は甘えん坊で、飼い主さんから撫でられるのが大好きです。帰宅し、顔を見れば全力で尾っぽを振り、喜んで足下に来て、さらに抱っこや撫でてと寄ってきます。
愛犬を抱え、抱きしめ、撫でていると、愛犬はうっすらと目を閉じ、この世で一番幸せを感じているような表情をします。飼い主さんの方もその顔を見ることで幸福感を共有します。やがて愛犬はスヤスヤと軽い寝息を立て、ゆったりと飼い主さんの手の中で寝始めます。
ところが愛犬のことを可愛いと感じた飼い主さんの手は、眠くなった犬の心と関係なく、動き続けます。最初は、喜びを伝え、次に幸福感を共感した行為なのですが、眠くなってきた体にとっては、その動きがせわしないと感じてしまうのです。やがて自分からやってきたことも忘れ、「もう、いいや」と飼い主さんの膝から降りようとし始めます。
愛犬の心を掴む撫で方

長い年月を共に暮らす愛犬と、心をつなぎ、一緒に生きていこうと思い思わせるためには、犬の心に「ウチの飼い主さんは最高!こんなに自分のことを理解している人は世の中にこの人しかいない。」と思ってもらいたいのです。
そこで、撫で方に一工夫。膝の上でも、床でもいいのですが、愛犬が近くにやってきて「撫でて」と言ったら、優しく撫ではじめますが、数秒撫でてから一端、手を止めます。
もっと撫でて欲しい犬は、「えっ?やめちゃうの?」と飼い主さんの顔を見上げてきます。中には、前足で飼い主さんの腕をひっかくような仕草をしたり、体をスリスリ寄せてくる子もいます。そしたら、飼い主さんはまた撫で始めます。この行為を延々と繰り返すのです。
要するに愛犬から「撫でて」というリクエスト行為が来てから撫でるのです。やがていつかリクエスト行為がなくなります。それは愛犬が満足し、静かに眠たくなってきたか、またはゆったりと過ごしたくなってきた証拠なのです。リクエストが来なくなったことを知った飼い主さんは撫でる手を止め、静かに寝かしてあげます。
そのことが愛犬に「自分のことを分かってくれる素晴らしい飼い主さん」と理解させ、「この人とならこの先、何があっても一緒にいこう」と思わせる行為なのです。甘えたい時は甘えさせてくれ、眠たい時には寝かせてくれる、心の繋がる触り方を実践してみてはどうでしようか。
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