夏場の注意
今年の夏は例年に比べても異常に暑いと思われます。皮膚からあせをかけないワンちゃん達にとっては、本当に苦手な季節です。なんとか無事に乗り切って、快適な秋を迎えたいものです。
その1、熱中症

夏に気をつけなければならないことはたくさんありますが、やはり一番怖いのは熱中症でしょう。体温が上がりすぎ、自分の調節の限界を突破することで起こります。多くのワンちゃんは脱水症状もおこし、時には命を落とすこともある怖い病気です。
熱い日差しの炎天下だけでなるかというと、そうでもなく曇った日でも湿度が高く、換気の悪いところなどに長くいると引き起こすことがあります。ペタッと床に座り込み、息も荒くなり、見ていても苦しそうなことが分かります。
もし、暑い日に愛犬がこんな症状を引き起こしたら、体をすぐに冷やすと同時に、なるべく早く動物病院につれていきましょう。
昔は水を体中にかけなさいと、言われていた時代もありましたが、体から蒸発する水蒸気で反対に湿度があがり、余計に苦しくなってしまうこともあるので、最近ではあまり勧められていません。
脇の下や首の後ろの方には、わりあい太い血管が走っているので、ここに冷たいペットボトルなどを当てる方法もあります。冷たいボトルでしたら、持っていなくても近くの自販機を探せば、容易に手にはいります。
そして、冷やしながら動物病院まで連れていきます。自動車を利用されている方でしたら、エアコンを強めに設定して、病院に向かいます。この熱中症は、暑い日に起きそうに思えますが、全国のデータを見ますと、暑さが一段落した9月や10月にも、わりあい多くのワンちゃんが病院に担ぎ込まれます。
もしかすると、毎日の暑さに耐えているうちに、体内に疲労が蓄積されるのかもしれません。
その2、害虫・寄生虫

その他、夏には虫も数多く発生します。代表的なものは蚊とノミとダニです。蚊はもちろん吸血を目的として、犬につくのですが、時にはフィラリアという寄生虫も媒介します。
目に見えないほど小さな虫は、蚊の口から犬の体に入ります。血管を移動しながら成長し、やがては犬の心臓などに寄生します。
多い時には、心臓に数百匹のフィラリアがいたというケースもあります。
このフィラリアという糸くず状の虫ですが、成虫になると6年は生きると言われています。厄介なのは、生きて吸血している時だけではありません。この虫は死ぬと丸く球状になります。この死骸の球が、血管を塞いでしまい、死に至らせることがしばしばあるのです。
大量のフィラリアに寄生された犬は、心臓を悪くした犬と似た症状を示します。急に咳き込んだり、普通に歩いていたと思うとヨロッとよろれたり、ポンと腰を抜かしたような動きをみせます。
これは死んだ虫の死骸が一時的に血管を詰まらせ、血栓をおこしているのです。すぐに回復することもありますが、そのまま死んでしまうこともあります。
最近は、良い予防薬が市販されているので、春になり気温が上がってきたら、近くの動物病院と相談してフィラリアの予防を始める必要があります。
蚊だけではなく、夏はノミやダニも大量に発生し、散歩で近くをとおるワンちゃんを狙っています。潜んでいた草むらなどに犬が近づくと、ジャンプして犬に飛び移ります。たいていは、すぐに吸血を始めるのではなく、体を移動し、刺しやすい柔らかな場所を探します。
それぞれのワンちゃんの体質にもよりますが、痒みや腫れだけでなく、アレルギー性のショックをおこす子もいます。
また、ノミなどは放っておくと、ワンちゃんの体表で、卵を産み、あっという間に猛烈な勢いで繁殖します。
もちろんこれらの寄生虫にも指されてからの治療だけでなく、指されないための予防薬が発売されていますので、動物病院に相談しておいてください。
その3、アスファルト

病気や虫だけでなく、都会では高温になったアスファルトにも危険がいっぱいです。
私たちは靴を履いて外出しますから、直にアスファルトに触る機会は少ないのですが、靴をはかないワンちゃん達にとっては、アスファルトの道は、炎天下の砂浜と同じです。
お散歩に出るときは、ちょっと前に先に出て、手で地面を触って、温度を確かめてから出かけるようにしたいものです。
特に小型のワンちゃんは、地表から十数センチという近くを歩いていますから、私たちが感じる暑さの数倍の暑さを感じています。
息苦しさや疲れだけでなく、足裏の火傷などにも注意が必要です。
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