認知症と東洋医学【獣医師解説】

認知症と東洋医学【獣医師解説】

2022/9/12
獣医師
【執筆医】関根 秀子
獣医師

ペットの認知症と言われてもピンとこない方も多いかもしれません。でも、しつけの問題だと思っていたものが実は病気だった…ということも少なくないようです。
「いのちのために。」5回目は、認知症と東洋医学について、モナ動物病院の関根 秀子先生にご執筆いただきました。

認知症の症状

飼い主さんにお手をする犬、手元のアップ

人間では物忘れがひどいなど、早い段階で気づくことも多いですが、動物の場合は夜泣きがひどい、あちこちで排泄をしてしまうなど、ある程度の症状が出てから気づくことも多く、ご近所迷惑などのこともありお困りの方も多いと思います。

東洋医学を用いたケアの例

認知症は、脳の栄養を補うことができなくなる「腎虚」や、気が滞る「気滞」により血の巡りが悪くなることなどで起こると考えられています。少しでも早くこの症状に気づき、発症を遅らせることが大切です。

当院の患者さんで、犬の体が夕方になると熱くなり、その日は夜眠らないといった方がいました。まさにその症状が「腎虚」の症状なのです。
その子には腎を補う補腎薬と、夕方から落ち着かない時には、気持ちを安定させるような漢方を飲んでいただきました。(以前服用していた精神安定剤よりも、朝穏やかに目覚めるので良いということで安心しました)
その後少しずつ認知症の症状は出ましたが、血の巡りをよくする漢方薬を服用し、ひどい認知症にはならずに天寿を全うしたんです。

本文

健康寿命を伸ばそう

西洋医学的な認知症の治療は、夜泣きさせないために精神安定剤や睡眠薬を服用させるという、人間の利益を優先した治療になってしまいがちです。

少しでも早く認知症の兆候に気づき、身体の働きをケアする漢方などを開始することで、楽しくメリハリのある生活を伸ばす手助けをする。東洋医学は健康寿命のケアに有効であると考えます。

獣医師
【執筆医】関根 秀子

モナ動物病院/神奈川県 逗子市 桜山8-1-44-1F
◇所属学会等:獣医アトピー・アレルギー・免疫学会、比較総合医療学会、湘南獣医師会