
多頭飼いの注意
最近は小型の犬と暮らす人が増え、スペース的にも経費的にも負担が少ないことから、2頭目を迎えようと考える飼い主さんが増えています。基本的に犬は血縁があってもなくても、同じ住まいでは一緒の群れ(家庭)として、仲良く生活ができる動物ですが、上手に群れになるためには、飼い主さんの方で知っておかなくてはならないことがあります。
飼い主さんが順位を決め守らせる

まずは群れの構成ですが、犬は群れ内では縦一列の順位をつくります。野生の犬や、もの凄くたくさんの犬の中では、犬同士が戦ったりしながら順位を決めていきますが、人と共に暮らす家庭では、この決め方はふさわしくありません。
というのは、群れ内の順位を決定し、秩序を守らせるのもリーダーの役目だからです。犬同士で決めさせるとしますと、飼い主さんはリーダーとしての役目を放棄したと見なされることから、リーダーシップを発揮しづらくなり、他の躾や指導に支障をきたします。そこで、飼い主さんは順位を決め、守らせるようにします。基本的には年齢順、あとから年上の子をくわえる場合は、その家に前からいる先住の順序がいいと思います。
先住犬をしっかり優先して平和な群れを

方法は簡単で、とにかく何をするにも、先住犬を優先するようにします。
一昔前の封建制度と考えるとわかりやすいと思います。もし、先住犬を膝の上で撫でている時に新しい子が近づいてきた時は、「待ってなさい」と言って先住犬を撫で続けます。反対に、新しい子を膝の上で撫でている時に先住犬が近づいてきた時は、今いる新しい子を置いて、先住犬を抱き上げる必要があります。食事をあげる時も、同時ではなく、先住犬を先にあげ、あとから新犬に差し出します。散歩に行く時も、ドアからは先住犬を先に出します。反対に帰ってきた時も先住犬の足を先に拭いてから、室内に入れます。すべては先住犬が優先するのです。時には、新しい子を叱る時もありますが、叱るという行為も手をかける行為のひとつなので、新しい子を叱る直前に先住犬に「OOちゃんをちょっと叱るね」と、声をかけたり、軽く撫でたりしてから、叱りに行きたいものです。
今までは、家族の愛情を独り占めしてきたわけですから、ある日突然、他の犬がやってきて仲良くしなさいと言われても戸惑うだけです。 また、 子犬とかであればどうしても手がかかるため、先住犬にしてみれば、自分のことが忘れ去られたような気になります。負けず嫌いな子は、後から来た子を虐めようとしますし、性格のおとなしい子は引きこもりがちになります。飼い主さんは犬の習性を見極め、上手に群れを作っていかなければなりません。
いったん良い群れになれば、下は上の子に甘えますし、上り子は下の子を守ろうとします。素敵な家族(群れ)の始まりです。
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