効果的なしつけ方

効果的なしつけ方

2022/9/12
ドッグライフカウンセラー
三浦 健太
ドッグライフカウンセラー

家庭に合わせたしつけを

前足を揃えてあげ、どこかを見つめるゴールデンレトリバー

愛犬と暮らしはじめ、『しつけ』をしようと思った時に『しつけの時間』や『練習時間』を特別に用意して、散歩の最後の15分とか、出かける前の30分、とか決めて毎日、練習する人をよく見かけます。また、しつけの本を買ってきて、そのマニュアルに従い、1ページづつクリアーしていく人もいます。更に専門の先生のいるしつけ教室や勉強会に参加する人もいます。

もちろんシツケが不要なわけではなく、一生懸命、練習し習得することは日々の生活のためにも、事故やケガの予防としても大切なことです。ただ、日々のしつけを練習時間だけで終わらせるのは、とてももったいないのです。

また本に書いてある方法や、多くの愛犬家が集まる教室での指導も、一般的なことが中心となり、基礎的には十分なのですが、それぞれの家庭の事情やケースを想定したものではありません。一口に愛犬家といっても家族構成も違いますし、建物の構造や間取りも変わります。一日に訪れる来客数も違いますし、出かけるお散歩時間やコースもまちまちです。本や先生から習ったことを基本に、それぞれの家庭の事情に合わせる工夫が必要なのです。

『ツケ』と『オスワリ』

お手をする柴犬

毎日の散歩で『ツケ』の練習を

通常『ツケ』は、買い主さんの左側にピッタリついて歩くように教えるのですが、時には道路事情から、愛犬を右側につけさせるケースも出てきます。交通量のある割合に狭い道路などを歩くときには、車が通る反対側を歩かせる方が安全でもあり、車を運転するドライバーにも余分な負担を与えずにすみます。

そんなことから、散歩の時には、単に『ツケ』と教えるより、『右にツケ』とか『左にツケ』と教えていった方がより効果的です。単に『コッチコッチ』でもいいかもしれません。毎日のお散歩コースに含まれている道で、毎日のように指示していると、そのうち愛犬もすっかり覚え、指示しなくても車の通行と反対側を歩くようになります。

もちろん競技会などでは、この方法は通用しませんので、あくまで一般の家庭での暮らし方だけの話ではありますが、教えるときのコツは『ツケ』の指示でどちら側を歩くかより、車の通行から反対側を歩くと教える気持ちが大事なのです。

命を守る『オスワリ』

同様に愛犬の動き止める指導では『オスワリ』というものもあります。単に座らせるだけでなく、愛犬の動きを止められますから。交通事故や危険を回避することができます。飼い主さんが『オスワリ』と発したら、すぐにその場で座るように教えておきたいものです。

この『オスワリ』もシツケ時間に練習するのではなく、散歩の途中に組み込んでいくほうが、自然と、また効率良く教えることができます。今まで実践してみて一番あとで役にたったのは、愛犬がウンチをしたあとと、交差点の手前での『オスワリ』でした。ウンチを取るときには、飼い主さんもしゃがみますし、取るために手も使います。こんな時に愛犬が走り出そうとしたり、ウロウロしていては注意力もそがれます。そこで、ウンチをした後にはすぐ近くに座らせ、取っている間は座って待つように教えていきます。やがて、愛犬はウンチをすると、飼い主さんが取ってくれるまでそのそばで座って待ってくれるようになってきます。これは、意外と便利なのです。

もうひとつは、交差点の手前での『オスワリ』で、ちようど車の一時停止のようなものです。出来れば、信号機などの無い小さな交差点でも練習します。交差点で止まることを習慣づけておくと、万が一。リードが離れてしまっても交通事故などには合わなくさせられます。

せっかく覚えた愛犬へのシツケ方ですが、ちょっと工夫すれば、単に練習するだけでなく、より効果的に飽きずに練習できます。是非、今日から試してみてはどうでしょうか。

ドッグライフカウンセラー
三浦 健太

特定非営利活動法人ワンワンパーティクラブ 代表 ◇主な活動:「全国一斉!クリーン作戦」や「Dog’s Walk for Keep Clean 全国公園清掃活動(活動支援)」などの公益活動。「WANWANパーティ」「ドッグランフェスタ」「愛犬との暮らし方教室」他各種イベント開催による愛犬家へのマナー啓発活動。

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