
愛情の深さまでも、犬は感じ取っている
犬が群れをつくる動物であることは良く知られている事実です。更にその群れの絆をとても大切にしながら暮らしていることもよく知られています。犬はとても愛情深い動物で、その愛情は自分の家族や同種だけではなく、共に暮らしている人に対しても注がれます。人と犬の絆を証すエピソードは山ほど有り、時には映画やドラマになったりもします。犬にとって愛情の大切さとは、命の元である食欲をも凌ぐことがあります。たとえ餓死しようとも、愛情を捨てることは考えられないほどなのです。
匂いで愛情の深さまで分かる?!

命よりも大切な愛情ですから、その与え方も受け取り方も豊富です。私たち人間と暮らす犬も、その本能から瞬間的に私たちの愛情を読み取ってしまいます。それは単に愛されているか、いないのかといった簡単な結論ではなく、どの程度愛されていてどの程度愛されていないのかをも判定してしまうほどです。いわば共に暮らす私たちの愛情の深さまで読み取っているのです。
犬の感受性は、見たり聞いたりだけではありません。犬がもっとも重要視しているのは「匂い」です。私たち人間は、良い匂いとか、臭い匂いという程度の判定はできますが、信頼感のある匂いとか、深い愛情の匂いとかは判定できません。最近の研究では、犬は匂いの中の感情さえも判定できるのでは・・・という学説が言われ始めました。命よりも大切な愛情に関しては、大好きな飼い主さんが自分をどのくらい愛しているのかはなによりも気になることのひとつであることは間違い有りません。
愛情の深さまでも、犬は感じ取っている

愛情の深さについての基準は難しいのですが、人の子育てと比べると少しわかりやすくなります。最初は「可愛い」とか「素敵」とか、好感度からはじまります。次に面倒を見てあげたいと思うようになりますそして病気にはさせたくない、健康でいて欲しい、できれば1年でも長く生きて欲しいと願い、さらにみんなに「良い子」と言われたい。自分や家族の生活の負担にならない子に育って欲しい。人生の難関や節目で共に生きて生きたい。だんだん深くつきあうようになると、飼い主さんの日々の生きがいにまで発展することになります。
普通は犬よりも人のほうが長く生きますが、突然の災害や病気で、飼い主さんの方が先に亡くなるかもしれません。残された愛犬が不幸にならないようにとまで願うようにもなり、誰にでもどこにいっても嫌われず、大事にしてもらえる子に育てたいと思うようになります。犬に寄せる愛情もどんどん深くなっていくのです。
そしてもっとも大事なことは、この愛情の深まりを犬も感じ取っているということなのです。たくさん名前を呼んでもらい、毛並みにそって優しく撫でてもらい、暮らしの中心にすることは犬にとってはとても幸せなことです。しかし、単に可愛がられるだけでは、満足ではないのです。自分の未来まで見つめて、なにがあろうとも、不幸にならないようにと真剣に考えてくれることの中に、深い愛情が生まれます。そして、忘れてならないのは、その愛情の深さまでも、犬は感じ取っているということなのです。
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