勉強したい子とさせられている子
愛犬は指示を嫌々きいているかも

犬を飼い始めると必ず誰かに「しつけをしないと大変だよ」と言われます。言われた飼い主さんは、本を買い、ベテランの友人に聞いて、とにかくなにかを教えなければと焦ります。「オスワリ」をさせたい。呼んだらすぐ来る子にしたい。おとなしく待っていて欲しい。教えたい欲望はつきません。ある人は、怖い声で脅かすように威圧して教えようとします。時には叩いたり、叩くふりをしたりもします。反対に、おどかす事はなく、おいしそうなオヤツをご褒美にして教えようとする人もいます。
脅かしても、ご褒美を使っても、簡単な「オスワリ」や「オイデ」は教えることができます。ただ、いつでもちゃんと出来るか、言うことを喜んで嬉しそうに聞いているかは疑問です。言われれば、とりあえずは座りますが、なんとなく嫌々している。そんな子たちも多いのです。
最も大事なことは、喜んで学ぼうとしているかどうか

犬に物事を教えるときに最も大事なことは、形だけでなく喜んで学ぼうとしているかどうかなのです。大好きな飼い主さんに心から喜んでもらえていると実感できることが大事なのです。犬にとって、群れ(家族)のコミュニケーションは何事にも代え難い大事なことなのです。信頼している飼い主さんが自分の行動でとても喜んでいると思いたいのです。
といって、大げさな仕草で喜んでいるフリをしてもあまり効果はありません。人間にとって他の人とのコミュニケーションはほとんどが言葉によって表現されますが、犬が最も信頼しているコミュニケーションは匂いなのです。もちろん言葉も表情も感じはしていますが、匂い以上の信頼感はもっていません。飼い主さんがことさらに大げさな表情や言葉を駆使しても、体から本当に喜んでいる匂いが出ていなければ、犬はさほど喜びません。犬になにかを指示し、出来たら(またはさせたら)すかさず、心の底から「出来たね」または「ありがとう」という匂いをださなければなりません。私たち人間は、心にないことを言葉にすることは出来ますが、心と違う匂いをだす事はできません。犬になにかを教える時には、喜んだフリ、褒めてあげるフリは通用しません。飼い主さんが心の底から喜んでいることを伝えようとすることが大事なのです。
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