
猫の腎盂腎炎について
目 次
不調を抱えた猫の症状・原因について

急性と慢性がある尿路の炎症
猫の腎盂(じんう)は腎臓と尿管をつないでいる部分で、腎盂腎炎はこの腎盂の部分に炎症が起きている状態を指します。
【主な原因】
腎盂腎炎は尿が通過する部分、つまり尿路で細菌が増えてしまうため発症する事があります。
また、膀胱に細菌が発生しておこる「膀胱炎」にかかっていると、細菌が腎盂にまで及び、腎盂腎炎の原因となります。
【主な症状】
腎盂腎炎の種類として、突然症状が出てくる場合を「急性腎盂腎炎」、軽い症状がずっと続いている場合を「慢性腎盂腎炎」と呼び、「慢性腎盂腎炎」と気づいたときには「慢性腎不全」になっている事もあります。
腎盂腎炎になってしまった猫は多飲多尿の状態になり、発熱や元気がなくなってしまうといった症状が出る場合もあります。
システムトイレを使っている単体飼育のご家庭の場合、トイレの下にたまった尿が濁っているという変化に気付きやすいでしょう。
症状が重くなると、食欲もなくなり体がむくんでしまう事もありますので、注意が必要です。
<関連記事>
・猫の腎炎(糸球体腎炎)とは
・猫の急性腎不全(腎臓病)とは
・猫の慢性腎不全について
猫のためにあなたができること

獣医さんに伝えるポイント
「以前は1日に○回トイレに行っていたのに、○頃あたりから○回に増えた」
「以前は1日に○○ccぐらいの水を飲んでいたのに、最近、○○○ccも飲む様になった」
といった水を飲む量やトイレの回数の増加など、変化を説明できるようにしておくと診察の参考になります。
また、体調が悪い状況もあった場合は、いつぐらいから変化を感じたかも説明できるようにしておきましょう。
尿検査、血液生化学検査などで調べる
腎盂腎炎の検査方法のひとつに尿検査があります。
これは尿の採取が出来る場合のみで、必ず尿検査が必要というわけではありません(必要だと思います)。
採取した尿を検査して、蛋白尿がないか、また、細菌の培養をして検査します。
他にも比重を調べて、膿や血が尿に混じっていないかを検査しますので、より詳しい結果を得る事が出来ます。
尿の採取方法は、システムトイレを単体で使っている猫の場合、トイレの下にたまった尿を採取する方法が手軽で楽です。その他、トイレをし始めてから紙コップをカットした容器を使って採取するという方法もあります。
尿が採取できない場合は、血液生化学検査で診断できます。
腎盂腎炎を発症していると、BUNやPの数値が基準値よりも高くなり、エコー反応が出るので超音波でも診断材料の一部として調べる事が出来ます。
主な治療方法
猫の腎盂腎炎は主に細菌感染が原因なので、抗生物質を飲ませる投薬治療が一般的です。
他に併発している疾患が見つかった場合は、合わせて対処療法で対応する事もあります。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 水を飲む量が増えた
- トイレの回数が多くなっている
- 尿のにおいが強いなと感じる事が多くなってきた
- 元気がなく、食欲がない
- 体がむくんできた
- 熱がある
かかりやすい猫の種類
- アビシニアン
- シャム
- スコティッシュフォールド
- トンキニーズ
- バーミーズ
- ヒマラヤン
- ペルシャ
- マンクス
- メインクーン
- ロシアンブルー
また、以下の状況の猫もかかりやすいです。
- 若いオス猫
- 猫白血病ウイルスに感染している猫
- 猫エイズに感染している猫
- 細菌感染症の経験がある猫

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