
猫の慢性腎不全について
不調を抱えた猫の症状・原因について

高齢になるほどリスクが高い
腎臓は、尿を作ることで、体にとって余分な老廃物や電解質を排出させる機能などを持っています。
腎不全は、腎臓の機能が段々と失われていってしまう病気です。腎臓の機能は年齢とともに衰えていくため、8歳を越えたあたりから腎不全になる猫が多く、10歳になると10%は発症しているといわれ、12歳を超えると約25%にまで上がります。早期発見が大事であり中高齢の猫は定期的に検査するのをおすすめします。
【主な症状】
慢性腎不全の症状はわかりにくいですが、注意して観察していると以前に比べて水を飲む量が増えたり、尿の量が増えたという変化を感じる事ができます。
他にも、段々痩せてきたり吐く回数が増えたという変化も、一緒に生活していく中で見つける事が出来るでしょう。
【主な原因】
腎臓の病気は種類が多く、腎盂腎炎や糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、多発性腎嚢胞など10種類近くあります。
これらの病気が慢性化することが慢性腎不全に移行する原因となります。
<関連記事>
・猫の腎盂腎炎について
・猫の急性腎不全(腎臓病)とは
猫のためにあなたができること

一般的な血液検査でわかるのはかなり進行してから
※近年では早期発見の指標になる血液検査数値もあります。
病院に連れて行った時に、状態で気がついた事やそれをいつ気付いたかを、忘れず獣医に伝えましょう。
- 水を飲む量が増えた
- トイレの量が増えた
- 痩せた気がする
慢性腎不全の診断は、触診によって腎臓や膀胱などが「小さい」と判断すると、血液検査をする事が多いです。
血液検査で尿素窒素やクレアチニンの数値に異常が出ると、既に腎臓の7割から8割が機能していない可能性があります。
慢性腎不全になっている猫は高血圧が関与していることがあり、場合によっては血圧を測定して診察の判断材料の1つにする事もあります。
「腎不全」という疾患名がついているので、治らないと諦めてしまう飼い主さんもいらっしゃいますが、点滴や薬の服用、食事内容を見直す治療法により、症状を緩和できる場合も多いですし、進行を遅らせる事で寿命が延びる可能性もあります。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 年齢と共に食欲が落ちてきた気がする
- 多飲多尿
- 傷が治りにくい
- 吐く回数が増えた
- 毛艶がなくなってきた
- 以前より寝る時間が増えてきた
かかりやすい猫の種類
- シャム猫
- ロシアンブルー
- バーミーズ
- メインクーン
- アビシニアン
また、以下の状況の猫もかかりやすいです。
- 猫エイズや白血病などといったウイルス感染や細菌感染にかかった事がある
- 先天性の腎臓異常
- 猫泌尿器症候群がなかなか治らない
- 8歳以上

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