
猫の乳腺炎(乳腺症)について
不調を抱えた猫の症状・原因について

うっ滞性乳腺炎と化膿性乳腺炎
乳腺炎(乳腺症)は、乳腺に何らかの原因で炎症が生じることで、乳腺が張って硬直し、熱をもつ病気です。おもに授乳中の母猫に見られる病気です。
乳腺炎には2種類あります。
うっ滞性乳腺炎
乳腺内に残った母乳が過度に溜まってしまうことで発生する炎症です。母乳が残る原因として、母猫の乳汁分泌量自体が多いこと、あるいは、子猫の離乳などの理由によって急に母乳が飲まれなくなることが考えられます。
化膿性乳腺炎
乳腺に細菌が感染することで罹患する炎症です。子猫の爪で母猫の乳房が傷つき、その傷口から細菌が入り込んでしまったり、乳腺の開口部から感染する場合があります。授乳中は乳腺の開口部が普段より開いているため、感染しやすいとも言われています。
乳腺炎は授乳時以外に起こる事もあります。
猫は、避妊手術をしていないと発情期にホルモンの働きが活発になります。その際、偽妊娠状態になり母乳が分泌され、乳腺炎に感染してしまうことがあります。
ですから、避妊手術をしていないメス猫は注意しましょう。
<関連記事>
・猫の体温がいつもより高く感じます。病院に連れて行くべきでしょうか。
猫のためにあなたができること

本当に乳腺炎なのか確認するため、動物病院へ
獣医さんに伝えるポイント
- 避妊手術をしているか
- 妊娠をしている場合、いつ頃出産したか
- 何匹生んだか
- 授乳はちゃんとしているか
乳腺炎は痛くてとてもつらい症状ですし、放っておくと、子猫への授乳にも影響が出てきてしまいます。
また、「乳腺炎かと思っていたけれど、実は悪性の乳腺腫瘍だった」というケースもありますので、症状が現れたらすぐに動物病院へ連れて行くようにしましょう。
乳腺炎の場合は触診で診断する場合が多いです。触った時の固さ、痛がるか、膿が出てきていないかなどを確認します。
うっ滞性乳腺炎と診断された場合は、乳房内に残っている母乳を搾乳してマッサージをする事もあります。
化膿している場合は、抗生物質を投与して炎症を抑える処置をする事もあります。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- お腹(特に乳房)を触られるのを嫌がる
- 乳房を触ってみると熱を持った感じ
- 乳房が固くなっている
- 乳房から黄色い分泌物が出てきた
かかりやすい猫の種類
特にかかりやすい品種はいませんが、以下の状況の猫はかかりやすいです。
- 避妊手術をしていないメス猫
- 子猫を出産した母猫
- 出産した仔猫の数が少ない母猫
- 母乳の分泌量が多い母猫
- 育児疲れで体力が落ちている母猫

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