
猫の瞬膜の露出(突出)について
不調を抱えた猫の症状・原因について

目頭の辺りにある「第三のまぶた」の炎症
猫の目には瞬膜と呼ばれるものがあり、別の名前を第三眼瞼といいます。
まぶたの内側の方にまぶたのような役割をする別の膜があり、まぶたを閉じた時に瞬膜が眼球を守ってくれます。
普段は目頭のあたりに少し見える程度なので、あまり瞬膜を見かける事はありませんが、体調によってこの瞬膜が目頭の辺りで目立つような状態になってしまう事があります。
これが瞬膜が露出した状態で、チェリーアイとも呼ばれています。
瞬膜が露出してしまう原因はいくつかあり、瞬膜の裏の方で炎症を起こしてしまう事が多いです。その他に、結膜炎などによる飛び出しや怪我による炎症、猫の種類によっては先天的に飛び出してしまう事もあります。さらに、神経に関する病気、例えばホルネル症候群が原因で飛び出してしまう事もあります。
また、飛び出し方によって原因が違う事もあります。両方の目が飛び出している場合は、要因として上記の様な体調不良が考えられます。片側だけ飛び出ている場合は、目に何か異物が入っている可能性があります。
飼い主の見た目で瞬膜の飛び出しが確認される以外の症状としては、目をこすろうとするようになります。
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猫のためにあなたができること

原因となる疾患の治療と点眼薬で治療
飼い主さんは、いつ頃から瞬膜が目立つようになったのかを確認しておき、動物病院に連れて行った時に獣医さんに伝えるようにしましょう。
診察は、膜が出ている原因を探すために、いくつかある候補のうち、どの疾患に当てはまるか調べていく事になります。 原因に当てはまる疾患などがあった場合は、それに合わせた治療を行います。
瞬膜の露出の治療で多いのは、点眼薬を処方することによって露出した部分を抑える事が多いです。
結膜炎が原因で瞬膜が出てしまっている場合は、抗生物質も一緒に飲ませることで症状を改善させていきます。
思うように改善しなかったり、飛び出し方が大きい場合は、外科手術をして改善させる事もあります。
方法としては、瞬膜を切除してしまう「第三眼瞼腺切除」、もしくは第三眼瞼腺を縫い付ける方法で瞬膜を目立たないようにする「第三眼瞼腺埋没」などを使います。
ただ、切除してしまう方法の場合、瞬膜自体が涙を出す事と関係している部分が大きいために、涙の量が少なくなってしまうというデメリットもあります。
その結果、ドライアイになってしまう事もありますので、手術をする際には獣医師と相談をして決めるようにしましょう。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 目頭辺りに赤いものが出てきている
- 目を気にしてこするようにしている
かかりやすい猫の種類

- バーミーズ
- ペルシャ
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